2016年11月24日 (木)

アメリカと日本における、医療と健康保険の比較

先日、アラブ系の友人が「米国の医療は世界一だ」と言って絶賛していました。

家族が重い心臓の病気にかかったところ、東海岸の有名病院で難度の高い手術を受け成功し、

今は元気に回復したとのことでした。

 

私自身もヒューストンのTMC(テキサス・メディカル・センター)で

治療を受けたことがありますが、日本でいえば聖路加病院クラスの病院だけでも

20以上集積し、世界最大の医療センターと呼ばれています。

その規模と先端の技術は、ため息ものでした。

しかし、よく知られているように、米国は最先端の医療技術は優れているものの、

一般的な初期診療制度は、お世辞にも良いとは言えません。自分に都合の良い医療機関では

診療してもらえないことも多く、かつ医療費は異常に高額です。

 

 

直近で、私の娘もサンフランシスコ近郊で皮膚科の診療を受けたのですが、

簡単な処置にも関わらず、相当高額な医療費を請求されました。

こうした事態に備えて海外旅行者保険に加入しておりましたので、

結果的にはそれでカバーされましたが。

 

 

これに対して我が国の医療制度は、待ち時間が長いことや医療事故が報道され、

ネガティブな印象も持ちがちですが、一般にはレベルの高い医療サービスに簡単にアクセスでき、

患者の自己負担額はリーズナブルです。北欧諸国のように患者負担は無料という国も存在はしますが、

世界を見渡しても日本の医療制度は誇ってよいのではないでしょうか。

 

 

それゆえに、社員が海外赴任する場合、本人や家族のため、日本の健康保険の被保険者の

地位を継続することを、会社も社員も希望されることが数多くあります。

欧米諸国への赴任でもそうなのですから、その他の国々に赴任する場合はなおさらでしょう。

また、家族が日本に残る場合には、必須条件とすら言えるでしょう。

ところが、赴任国によっては日本と社会保障協定を結んでいたりして、

その手続きには一定の知識が必要となります。日本の厚生年金の加入継続と合わせ、

こうした場合には専門家とご相談いただくのが良いと思います。

 

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