2016年10月18日 (火)

電通二度目の過労死事件に見る労働環境問題の根にあるものは

こんにちは、アーク&パートナーズの黒川です。

繰り返された悲劇。広告代理店大手電通で起きた“二度目の”過労死事件は社会に衝撃を与えました。電通と言えば、1991年にも新入社員が自殺し、過労死と認定されて損害賠償命令を受けています。

ここ数年、日本の社会では長時間労働や休日出勤など労働環境の問題提起が数多くされてきたものの、そこから何も学んでいないのかと考えざるを得ません。

どれほどの辛さだったでしょう。その苦しみは長時間労働が原因でしょうか。

疲れ果てていく彼女の様子に周りの社員は気づかなかったのでしょうか。

無関心もハラスメントだと私たちは勉強しなければなりません。

ニュースを見た限りでは、上司の精神論によるところが大きいように感じます。

過労死に至る原因は、勤務時間も大きく関係しているでしょうが、精神的に追い詰められることが大きな負担となるのでしょう。

三六協定など労働基準法で労働時間の管理はできるものの、経営者や管理者の意識が変わらないと会社は変わらないのです。

ライバルより長く働け、休むな、疲れた顔をするな、さらには「俺が若い頃はそうやってきた」。そういった精神論の強要がある限りは、労働環境の問題はなくならない。

つまり、働き方だけではなく意識を変えなければ会社は変わらないのです。

問題の根本は昔の働き方を引きずった経営者や管理者の意識にあるということです。

多くの会社が広告代理店大手である電通と関わっていることでしょう。関わるということはつまり、多くの会社の働き方にも影響するということです。

納期や実績について同じスピード感を求められたり、深夜労働や休日出勤で対応せざるを得なかったり。

「電通だって変えられないんだからうちだって変えられない」「休んでいたら他社に追い越される」。

そんな考えが多くの会社に蔓延しているように思います。電通ほどの大きな会社であれば尚更、社会に影響があることを自覚すべきなのです。

もちろん電通だけの問題ではありません。

すべての会社が“見せかけだけの仕組み改革”ではなく、“意識改革”をしなければ、悲しい事件は繰り返されます。

1018ku