2016年10月20日 (木)

今月から社会保険の加入対象が広がりました

こんにちは、アーク&パートナーズの長根です。

今月から社会保険(厚生年金保険・健康保険)の加入対象が広がっています。今までは、一般的に週30時間以上働く人が社会保険加入の対象者でしたが、社会保険の被保険者数が501人以上の企業では、週20時間以上働き、この先一年以上の雇用が見込まれるなどいくつかの条件に当てはまる人も対象になったのです。正社員や契約社員、パート、アルバイトなど雇用形態は問いません。

厚生労働省によると、加入のメリットは「将来もらえる年金が増える」「医療保険の給付が充実する」などと掲げています。たしかに、基礎年金に厚生年金がプラスされたり、国民健康保険にはない傷病手当金や出産手当金があるなどのメリットがあります。

ただ、社会保険料は、従業員と会社とで折半する仕組みとなっています。つまり、加入対象者が増えれば会社の負担が増えることにもなるため、企業によっては人件費を見直す機会となる場合があります。また、従業員においても保険料の負担がかかってきます。今まで配偶者の扶養に入っていた人も、それを抜けて、毎月の賃金に応じた社会保険料の支払いが必要となります。女性の就業意識を高める効果を期待しての制度変更でもありますが、パートで働いている人にとっては、手取りが減ることを不安に思う人も多いでしょう。対象者には面談などで仕組みの説明が必要になってくると考えられます。

また、この制度は、今後さらに加入対象を広げるかもしれない、という含みを持たせています。被保険者数が500人以下の企業には関係ない、とは言っていられないのです。社会保険料そのものが年々上がっていることに加え、会社側の負担増と従業員の負担増は大きな問題と言えそうです。

1018長根