2026年01月15日 (木)

令和8年法改正の実務影響ポイント3選

今回は、人事担当者が押さえておくべき令和8年の法改正を3つご紹介します。

子ども・子育て支援金の拠出開始

令和5年12月に閣議決定された「こども未来戦略<加速化プラン>」に基づき、
令和8 年度には、全世代・全経済主体が子どもや子育て世帯を支える「子ども・子育て支援金制度」が創設され、
令和10年までに段階的に導入されることになっています(子ども・子育て支援法改正)。

今回は、全世代・全経済主体の中でも事業主と被用者に焦点を当て、
具体的な子ども・子育て支援金の拠出について解説します。

拠出方法…労使折半で、医療保険料に上乗せ
拠出額…一人あたり月額平均300円(個々人の具体的な拠出額は、加入する医療保険制度、所得や世帯の状況等による)
※令和8年度、協会けんぽ、健保組合、共済組合の被保険者の場合。
 令和10年度は一人あたり月額平均500円。(こども家庭庁の試算)

令和8年4月分から、健康保険料・介護保険料とあわせて子ども・子育て支援金を拠出します。
従業員への直接的な影響として、
社会保険料翌月徴収であれば令和8年5月の給与から、控除額が増えることが挙げられます。
これに対して、事業主の対応としては、控除項目の追加に関する社内アナウンスや、
給与計算の拠出額設定人件費シミュレーション、場合によっては規程の改定を検討する必要があります。

女性活躍推進法に基づく情報公表義務の拡大

平成27年から令和7年度までの時限法だった女性活躍推進法が、10年延長されました。
これまでの女性活躍推進の取組を通し、
女性の就業率に関するいわゆるM字カーブはほぼ解消する等の成果がありましたが、
一方で、男女間賃金差異や、
女性の管理職比率が国際的には依然として低い水準にあることが課題に挙げられています。

今回の改正(令和8年4月1日施行)では、女性の職業選択に資する情報公表を強化するため、
対象企業規模と公表義務となる項目が拡大されました。
特に、常時雇用101人以上の企業で、
①男女の賃金の差異
②女性管理職比率
の公表が義務化
されたことが注目されています。

公表義務の対象となった場合、新たな公表義務を適切に果たすため、
公開情報の定義、計算方法を確認し、賃金データの抽出・算定方法を検討・試算する等、
令和7年度内に余裕を持って対応できるとよいでしょう。

障害者の法定雇用率 2.7%へ引き上げ

障害に関係なく、希望や能力に応じて誰もが職業を通じた社会参加のできる共生社会を実現するため、
令和6年から段階的に障害者雇用支援が強化され、
令和8年7月には、民間企業の法定雇用率が2.7%へ引き上げられます。
現行の法定雇用率は2.5%で、従業員数 40.0人以上の企業が対象でした。
改正によって、従業員数37.5人以上の企業が対象となります。

対象事業主には、毎年6月1日時点での障害者雇用状況をハローワークへ報告する義務があります。
なお、新たに対象となる企業においては、まず現状を把握することが考えられますが、
企業が障害者を把握する場面では、
厚生労働省のガイドラインに沿ってプライバシーに配慮することが必要です。

多くの従業員や企業にインパクトのある法改正をピックアップしてご紹介しました。
分野が多岐に渡り、それぞれに複雑ですが、
従業員の安心と企業の信頼性を高める重要なステップと捉え、ひとつひとつ早めに取り組むことが大切です。

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≪2026年1月1日発行 マロニエ通信 Vol.275より≫
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