2026年03月26日 (木)

育成就労制度、開始まであと1年

育成就労制度の省令

去る2025年9月30日に、育成就労制度に関する省令が発表されました。
これにより、いよいよ2027年4月1日から、これまでの技能実習制度に代わり、
育成就労制度がスタートすることになります。

今回は、改めて省令を読み込み、
受入企業と監理支援団体(技能実習制度における監理団体)への影響につき、
主なものを纏めてみました。

受入企業への影響

①転籍が可能に
技能実習制度では、受入企業の倒産などやむを得ない場合でなければ、
実習生は転籍できませんでした。
しかし、育成就労外国人は、自らの意思に基づき、転籍できることになりました。

但し、自由に転籍できる訳ではなく、
ア)転籍元に少なくとも1年間は在籍済み(期間は産業分野により異なる)
イ)基礎的な日本語試験(N5など)及び技能試験(基礎級など)に合格している
ウ)転籍元の初期費用を転籍先が按分負担
などの条件があります。

また、転籍の斡旋は、ハローワーク等の公的機関と監理支援機関のみが行うことができます。

地方の優遇人数枠
技能実習制度には、「基本人数枠」という考え方があり、
例えば常勤職員9人以上30人以下の企業であれば、9人まで受け入れることができます。
優良な受入企業と認定されると2倍程度まで枠が拡大されます。

この考え方は、育成就労制度でも引き継がれます。
これに加えて、都市部以外の地方の受入企業は、受入枠が拡大されます。
さらにそれが優良な受入企業、優良な監理支援機関となると、一層優遇されます。
例えば、上記と同じ常勤職員9人以上 30人以下の企業が、
地方の企業で、優良な受入企業かつ優良な監理支援機関と認定されれば、
27人までの育成就労外国人の受入れが認められます。

③日本語能力の試験・研修が必須化
技能実習制度とは異なり、育成就労制度では、一定の日本語能力が要求されることになります。
例えば、日本語能力試験(N5等)以上に合格していれば、
入国前・入国後講習において各々110時間以上が義務となりますが、
合格していなければ、各々160時間以上の講習が義務となります。

また、配属後にN4等以上に合格すれば、講習受講義務が免除されますが、
合格していない場合は、100時間以上の認定日本語教育機関における講習等が義務となります
(オンライン講習可)。

監理支援機関への影響

①実習生・受入企業の上限設定
常勤役職員一人あたり、実習生40人未満・受入企業8社未満という、
数量制限が新設されました。
ある程度の監理支援費用を設定しないと、経営が安定しないことになるでしょう。

➁外部監査人選任の義務化
監理支援機関の受入企業からの独立性を担保するため、
外部監査人の選任が義務化されました。
外部監査人は、弁護士、社労士などの国家資格保持者や、
その他の育成就労制度に関する知見を有する者である必要があります。

1年後に向けて

上記の如く、技能実習制度に比べて、関係者に要求される水準が高くなっています。
一方、特定技能外国人制度と一体となった、
日本の人手不足解消に資する労働力供給源として、大いに期待されています。

    ≪2026年3月1日発行 マロニエ通信 Vol.277より≫
    https://www.arcandpartners.com/info/maronie