2016年09月15日 (木)

労働人口が減る日本企業が、生き残るために持つべき危機感とは

こんにちは、アーク&パートナーズの黒川です。

前回はスイスの最低賃金についてお話しました。スイスには最低賃金がなく、その導入の是非を問う国民投票において、76%が反対したというものです。

反対した人の多くは労働者側で、「最低賃金を定めたら、会社はその金額で人を雇うようになる。私達が受け取る報酬が下がる」という声が多かったようなのですが、逆に経営者側は、高すぎる賃金は企業にとって負担となり、企業の国外移転や海外進出を促す要因になると考え、賛成する人もいたようです。

 

自国内での労働コストがあまりにも高ければ、労働力を海外に求めるのは当然の流れです。日本でも中国や東南アジアに拠点を設け、製造業などを行っている企業は数多くあります。

 

スイスの経営者が懸念していることは、まさに日本を対象にしたような言葉でした。日本の最低賃金はスイスの実質三分の一です。つまり、日本企業は労働者の賃金が安いからと東南アジアなどに進出する。それと同じように、スイスから見れば日本は労働コストの安い国です。日本ではグローバル化を掲げる企業が増えてはいますが、世界から見れば「日本は安く労働者を雇える」という風に見られているのかもしれません。

 

私はこの現状に大きな危機感を持ちました。スイスの最低賃金の国民投票は否決されましたが、そういった問題を国民投票で決めることができる、たとえ否決されたとしても重要な提言として国民に投げかけることができる。それに比べて日本はどうでしょうか。選挙の争点になるような大きな議題も結局は政治家任せ、実際はなかなか進まないのが現状です。

 

日本は確実に労働人口が減っていきます。企業や経営者が強くならなければ乗り切れない時代になっていきます。私は率先してメッセージを出し、自ら社会を変えていかなければならないと気持ちを強くしました。

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