2024年02月15日 (木)

労基署調査、増えています

新型コロナウイルス感染症の影響により鈍化していた労基署調査が、改めて増加しています。
今回は、労基署調査とはそもそも何か、是正事例を交えて紹介します。

労基署調査の種類と流れ

労働条件の確保・向上と働く人の安全や健康の確保を図るため、労働基準監督官は、
行政職員としての監督権限に基づき、調査を通じ事業場に対し必要な指導を行います。

調査は大きく分けて4種類あります。

定期監督
その年の監督計画に基づき、前年の実績などから任意に対象事業場が選定されます。
事前に文書で知らされ、日時と事前準備資料の指定がされます。
事前予告なしで突然調査に来るケースもあります。

申告監督
労働者からの各種法令違反の申告や相談を契機として調査が入ります。

災害時監督
一定以上の労働災害事故の発生を契機に原因の究明や再発防止のために調査が入ります。

再監督
上記の3つの調査において違反が確認されたり、
過去に是正勧告を受けた事業場が指定期日までに「是正報告書」を提出しなかった場合に行われる調査です。


調査の結果、法違反が認められた場合には労働基準監督官が事業主に対し是正を指導します。
監督指導は、法違反等を是正することが目的であるため、是正を確認すれば、監督指導は終了となります。

令和4年の監督指導結果

令和4年に東京都管轄内の18労基署が実施した定期監督等の実施事業場数は15,160事業場で、
このうち、11,050事業場(全体の72.9%)で法令違反が確認されました。
主な違反内容としては、「機械・設備等の危険防止措置に関する安全基準に関する違反」で3,550事業場(23.4%)と最多となり、
「健康診断の実施に関する違反があったもの」が 2,368事業場(15.6%)、
「違法な時間外労働があったもの」が2,215事業場(14.6%)と続く結果となりました。

主な労働関係法違反の例
・機械や設備などがその安全基準を満たしていない
・年1回の健康診断を実施していない
・36協定を超える時間外労働を行わせた
・賃金や労働時間などの労働条件を書面で明示していない
・割増賃金を支払わなかった
・賃金台帳が適切に調製されていない
・就業規則の作成・変更を届けていない

是正事例

令和4年の申告監督による是正事例を紹介します。

長時間労働の一つの指標となる45時間、60時間、80時間を意識することも重要ですが、
労働時間の把握体制がそもそも適切か、今一度確認しましょう。
また、従業員数50人以上の会社においては、ストレスチェックが実施されているか、
産業医がいるかなどの調査項目もあります。

労基署調査の有無にかかわらず、法定三帳簿(出勤簿/労働者名簿/賃金台帳)の整備や、
労働者数に応じた労務管理が適正に実施されているか日々意識することが重要です。

弊社では、労務診断も行っておりますのでお気軽に担当者までお問い合わせください。

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≪2024年2月1日発行 マロニエ通信 Vol.252より≫
https://www.arcandpartners.com/info/maronie