2024年01月11日 (木)

令和6年人事労務に関する法改正

令和6年施行予定の法改正及び人事労務の重要事項の概要をまとめました。

「労働条件明示事項の改正」、「裁量労働制の見直し」、
「障害者法定雇用率の引き上げ」、「社会保険適用拡大」については以前解説したため概要説明のみとし、
「健康保険被保険者証の廃止」について詳しく解説いたします。

 

概要説明

●労働条件明示事項の改正
労働条件の明示事項に「就業場所・業務の変更範囲」、
有期雇用契約の場合はそれに加え「更新上限の有無と内容」、
「無期転換申し込み機会•無期転換後の労働条件」が追加されます。

●裁量労働制の見直し
労使協定に「本人の同意を得ること」
「同意をしなかった場合に不利益な取り扱いをしないこと」
「制度の適用に関する同意の撤回手続きについて定めること」
「同意とその撤回に関する記録を保持すること」
の4事項を追加する必要があります。

●障害者法定雇用率の引き上げ
法定雇用障害者数・障害者雇用納付金の算出に使われる法定雇用率が
令和6年4月・令和8年7月にそれぞれ段階的に引き上げられます。
令和6年4月からは従前の2.3%から0.2%引き上げられた2.5%となります。

●社会保険適用拡大
短時間労働者への被用者保険の適用要件のうち、企業規模要件が
令和4年10月に「社会保険被保険者数101人以上」まで引き下げられました。
令和6年10月からは「社会保険被保険者数51人以上」まで引き下げられます。

 

令和6年12月2日 健康保険被保険者証の廃止

マイナンバー法の改正により、マイナンバーカードと健康保険被保険者証の一体化が決定されました。

令和6年12月2日以降は健康保険被保険者証の新規発行がなくなり、
既に発行済みの健康保険被保険者証は最長1年間のみ有効とみなす経過措置が取られますが、
原則としてマイナンバーカードを健康保険被保険者証として利用する必要があります。

マイナンバーカードを保有していない場合や
マイナンバーカードによる医療機関への受診が難しい場合を踏まえ、
医療機関受診におけるマイナンバーカードの代替となる「資格確認書」の発行が予定されております。

発行の様式については現行の実務・システムを活用して行うため、
健康保険被保険者証と同様のサイズ・素材での発行が想定されますが、
資格確認書が健康保険被保険者証と異なる点として、
保険者ごとに5年以内の有効期間が設定され、更新を行うこととなります。

 

保険者の情報公開を踏まえ、有効期間の更新、
「資格確認書」の交付方法などを確認することが重要です。

 

 

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≪2024年1月1日発行 マロニエ通信 Vol.251より≫
https://www.arcandpartners.com/info/maronie