2023年12月21日 (木)

白ナンバー事業所のアルコールチェック義務化

令和4年4月に道路交通法が改正され、緑ナンバー(事業用自動車)のバス・トラック・
タクシー等の運転者に対して義務付けられていたアルコールチェックが、
白ナンバー(自家用車)までその対象を拡大することとされました。

令和4年4月と令和4年10月の2段階で行われる予定でしたが、
令和4年10月施行の改正内容は施行時期が延期され、令和5年 12月に施行されました。

今回は、令和5年12月施行の内容について、
令和4年10月に施行された内容にも触れながら解説いたします。

 

対象事業所

対象となる事業所は、以下のいずれかに該当する事業所です。
・乗車定員が11名以上の自動車を1台以上保有する事業所
・乗車定員に限らず5台以上の自動車を保有する事業所

なお、自動二輪車(原動機付自転車を除く)は1台を0.5台として計算します。

 

改正内容

●令和4年4月1日の改正内容(令和4年4月1日施行)
✔酒気帯びの有無について運転前後の運転者を目視等で確認すること
✔酒気帯びの有無について記録し、その記録を1年間保存すること

●令和4年10月1日の改正内容(令和5年12月1日施行)
✔アルコール検知器を用いて酒気帯びの有無を確認すること
✔アルコール検知器を常に使用できる状態にしておくこと

 

企業が対応すべきこと

アルコールチェックの義務化により、企業は以下の措置を行う必要があります。

●安全運転管理者の選任
乗車定員が11名以上の自動車を1台、
またはその他の自動車を5台以上使用している事業所は、
事業所ごとに安全運転管理者を1名選任する義務があります。
安全運転管理者を選任した場合には各都道府県警察へ届出なければなりません。

●記録簿の作成
記録簿は指定の様式がなく、自社でフォーマットを準備する必要があります。
データでの保管も可能であるため、運転者が多い場合等は
アルコールチェッカーと連動した管理システムを導入すると作業が効率的です。

●就業規則の見直し
「いつ・誰が・どのように」実施するのか、
運用にあたっての社内ルールを明記し、管理体制を構築する必要があります。
また、従業員がアルコールチェックを拒否した場合に備えて、
服務規律や懲戒規定を整備することも重要です。

 

アルコールチェックを実施しなかった場合における直接的な罰則はありませんが、
アルコールチェックを怠り、酒気帯び運転が確認されたときは道路交通法違反となり、
運転者のみではなく使用者に対しても3年以下の懲役または50万円以下の罰金が課せられる可能性があります。

社内教育などを通して、車を運転する全従業員が飲酒運転による事故の危険性を理解して、
会社全体でアルコールチェックに取り組んでいくことが大切です。

 

 

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≪2023年12月1日発行 マロニエ通信 Vol.250より≫
https://www.arcandpartners.com/info/maronie