2023年12月14日 (木)

労働条件明示のルール改正に際して企業が留意すべきポイント

令和6年4月1日より施行される労働条件明示のルールの改正について、
厚生労働省ホー厶ページでパンフレットが公開されました。
改正の概要については、以前の記事にて解説していますのでご参照ください。

今回は、改正に際して企業が留意すべきポイントを紹介いたします。

 

 

対象となる労働者について

今回の改正は、令和6年4月1日以降に締結される労働契約について適用されるため、
既に雇用されている労働者に対して、改めて締結する必要はございません。

有期契約労働者については、契約の更新は新たな労働契約の締結であるため、
令和6年4月1日以降の契約更新の際には、新たなルールに従った明示が必要となります。

また、令和6年4月1日を開始日とする契約の締結を3月以前に行う場合は、
改正前のルールが適用されるため、新たな明示ルールに基づく明示は不要です。

 

その他留意すべきポイント

●就業規則について

無期転換後の無期労働契約の労働条件(契約期間を除く)は、
就業規則等で「別段の定め」をしない限り、
無期転換前の労働契約と同一の労働条件が適用されます。
「別段の定め」をする場合には、適用する就業規則にその旨を規定する必要があります。
定年後の再雇用など、有期契約労働者には通常定められていない労働条件を適用する必要がある場合には、
適切に設定の上、あらかじめ明確化しておく必要があります。

 

●無期転換申し込みに関する不利益取り扱い

有期契約労働者が無期転換の申し込みをしたことを理由として、
解雇やその他不利益な取り扱いをすることは許されません。
その他、使用者が有期労働契約の更新を拒否した場合、
「雇止め法理」により雇止めが認められないことがあります。

 

●無期転換ルールにおける通算契約期間のリセット(クーリング)

通算契約期間のリセット(クーリング)とは、
同一の使用者との間で有期労働契約を締結していない期間(無契約期間)が一定以上続いた場合、
それ以前の契約期間は通算対象から除外されることを指します。
具体的にどのような場合にクーリングされることになるかは、
無契約期間の前の通算契約期間と無契約期間の長さによって異なります。

クーリングが可能となる無契約期間前の通算契約期間と無契約期間は次の通りです。

 

厚生労働省のホームページでは労働条件通知書のモデル(https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/001156118.pdf)に加え、
様々な事例を想定した記載例も公開されています。
そちらもご参照ください。

 

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≪2023年12月1日発行 マロニエ通信 Vol.250より≫
https://www.arcandpartners.com/info/maronie