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今年6月に閣議決定された「こども未来戦略方針」で掲げられた施策の一つ、
いわゆる「年収の壁(106万円/130万円)」への具体策が発表されました。
従来、配偶者の扶養となっていた労働者が、社会保険料負担の発生により
手取り収入の減少を理由として、就業調整をしている状況の解消を目的としています。
国から発表された対応策について、解説いたします。
年収の壁とは
【106万円の壁】
特定適用事業所(被保険者数100人超)にて就労している方が、
所定内賃金が月額8.8万円(年額≒106万円)以上となると、
配偶者の扶養から外れ、自身が社会保険被保険者として、保険料負担する必要があります。
【130万円の壁】
年収130万円を超えると配偶者の扶養から外れ、
新たに国民健康保険や国民年金の保険料負担が発生します。
壁を意識せず働けるための具体策
【106万円の壁】
➀キャリアアップ助成金のコース新設(*1)
労働者の収入を増加させる取り組み(手当等により収入を増加、所定労働時間の延長等)
を行った事業主に対して、労働者1人あたり最大50万円の支援を行います。
*1.省令の改正が必要なため、令和5年10月1日現在対応しておりません。
改正後、令和5年10月1日に遡って申請することができます。
➁社会保険適用促進手当
事業主が、社会保険非適用労働者が新たに適用となったことにより、
保険料負担分の手取り額減少を防ぐ策として、手当を支給した際、
この手当を標準報酬月額算定対象外とすることができます。
以下の支給要件を満たす必要があります。
【130万円の壁】
事業主の証明による被扶養者認定の円滑化
被扶養者認定において、取扱いが以下の通り変更されました。
従来の課税証明書や給与明細書、雇用契約書等に加えて、
人手不足による労働時間延長等による一時的な収入変動である旨の
事業主の証明を添付することで、迅速な被扶養者認定が可能となります。
就業調整をしていた労働者が新たに社会保険に加入することで、
健康保険の傷病手当金や出産手当金も受給できるようになります。
会社にとっても、従業員が労働時間延長を懸念せず働くことができるのはメリットといえます。
今回の国の対応策をふまえて、人事施策を検討してみてはいかがでしょうか。
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≪2023年11月1日発行 マロニエ通信 Vol.249より≫
https://www.arcandpartners.com/info/maronie