Theme
Month
今年に入ってから、「2024年問題」というワードが注目されています。
これは物流業界など特定の業種で残業時間の上限が設けられることで、
ひとり当たりの労働時間が減少し、結果として人材不足が発生する課題などを指しています。
今回は2024年問題の要因のひとつである残業時間の上限規制について説明いたします。
働き方改革関連法の施行
2018年7月働き方改革関連法の公布により残業時間の上限時間数が法律で定められ、
一部の業種を除き大企業は2019年4月、中小企業は2020年4月より施行されました。
これまで施行を5年猶予されていた業種も2024年4月に施行され、その中に自動車運転業務も含まれています。
【これまで施行猶予されていた業種】
●工作物の建設の事業
●自動車の運転の事業
●医業に従事する医師
●鹿児島県および沖縄県における砂糖を製造する事業
法改正後(2024年4月以降)の残業時間上限の比較
我が国では特例措置対象事業場を除き1日8時間、週40時間以上労働させてはならないことが
労働基準法で定められています。
ただし、企業は労働者と「時間外労働・休日労働に関する協定」(以下、36協定とする)を締結し、
その旨を労働基準監督署に届出れば残業させることができます。
36協定では原則の残業時間と突発的な業務が発生した時に適用できる特別条項を定めることができますが、
2024年4月以降も一般の業種とこれまで施行猶予されていた業種ではその基準が異なります。
【残業時間上限数比較表(2024 年4 月以降)】
※1:休日労働時間数も含みます。
※2:災害復旧・復興の事業に関しては適用されません。
また、施行は2024年4月1日ですが、新しい上限は施行後に協定期間が開始する36協定から適用されます。
そのため、2023年度中に協定期間が開始される36協定の有効期間中は4月以降も現在の基準に基づいて運用することができます。
改善基準告示の改正(2024年4月施行)
36協定の改正にあわせて、ドライバーの拘束時間や連続運転可能時間などを定めた
「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」(以下、改善基準告示とする)も改正されます。
改善基準告示はタクシー・ハイヤー運転者、トラック運転者、バス運転者など
業務内容ごとに細かく設定されておりますので、詳細は厚労省のHPにてご確認ください。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/gyosyu/roudoujouken05/index.html
(厚生労働省HP 2023年8月1日閲覧)
*…..*…..*…..*…..*…..*…..*…..*…..*…..*….*…..*……*…..*…..*…..*…..*…..*…..*
≪2023年9月1日発行 マロニエ通信 Vol.247より≫
https://www.arcandpartners.com/info/maronie