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高年齢雇用継続給付金とは
60歳以上の従業員の継続雇用を促進・支援することを目的とした給付金ですが、
令和7年4月1日以降60歳に到達する人から段階的に縮小し、
ゆくゆくは廃止されることが決定しています。
改正の概要と企業および労働者への影響について考えてみましょう。
現行制度と改正後の給付率
高年齢雇用継続給付は一定の要件を満たす従業員が、
60歳を超えて引き続き働く場合に受けることができます。
支給期間は最大5年で、雇用継続によって生じる給与減少分に対して、
次の割合で給付されますが、最大支給率が見直されることとなりました。
令和6年度までは現状を維持されます。
令和7年度からは最大支給率が10%へ引き下げられる一方で
最大支給率となる賃金低下率は61%以下から64%以下へ引き上げられます。
これは当該給付が高年齢労働者の継続雇用の処遇決定に少なからず影響を与えていることから、
各社での周知を十分な時間的余裕をもって行うとともに、急激な変化を避けるための措置です。
なお令和7年の施行以降、制度の廃止がいつになるかは具体的に決まっていません。
給付率見直しの背景
給付率見直しの背景は、高年齢雇用安定法が改正されたことによる、
65歳までの高年齢者雇用確保措置の進展です。
また「同一労働同一賃金」の法制化により、
高年齢者においてもこれまで以上に待遇改善の動きが加速しました。
これらの法整備により、60歳以上の高年齢者でも働きやすい環境が整いつつあるとの判断から
縮小していくことが決定されました。
給付金縮小・廃止による企業対応
給付金制度の今後の縮小と廃止によって、企業は高齢従業員の働き方や処遇など
高年齢者の活用の方針そのものを包括的に再考するべきと言えます。
特に賃金については給付金の支給方針決定後は規定等へ落とし込み、従業員に周知が必要です。
中でも、現在給付金を受けている従業員や今後60歳になる従業員には丁寧なコミュニケーションを行い、
あらかじめ受けられる給付金や処遇の変化等を具体的にイメージさせることが重要です。
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≪2023年7月1日発行 マロニエ通信 Vol.245より≫
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