2023年06月15日 (木)

障害者の法定雇用率引き上げと支援策の強化について

「障害者の雇用の促進等に関する法律施行令及び
身体障害者補助犬法施行令の一部を改正する政令(令和5年政令第44号)」
が公布され、障害者法定雇用率の段階的な引き上げなどが決定しました。

そこで、今回は改正に伴うポイントを確認します。

障害者の法定雇用率の段階的な引き上げ(令和6年4月以降)

従業員が一定数以上の対象事業主は、法定雇用率以上の障害者を雇用する義務があり、
その法定雇用率が段階的に引き上げられます。

なお、法定雇用障害者数は以下の計算式により算出されます。

 

除外率の引き下げ(令和7年4月以降)

障害者の就労が一般的に困難と認められている業種については、雇用する労働者数を計算する際に
除外率に相当する労働者数を控除する制度が設けられていましたが、
令和7年4月より各除外率設定業種ごとにそれぞれ10%ずつ引き下げられます。

なお、現在の除外率が10%以下の業種については除外率制度の対象外となります。
除外率設定業種については厚生労働省のパンフレット等をご確認ください。

出典:厚生労働省   https://jsite.mhlw.go.jp/osaka-roudoukyoku/content/contents/202303061380.pdf
「障害者の法定雇用率引上げと支援策の強化について」

 

障害者雇用における障害者の算定方法の変更

(1)精神障害者の算定特例の延長(令和5年4月以降)
週所定労働時間が20時間以上30時間未満の精神障害者について、
当面の間、雇入れからの期間等に関係なく、「1人」として算定できるようになります。

(2)一部の週所定労働時間20時間未満の方の雇用率への算定(令和6年4月以降)
週所定労働時間が10時間以上20時間未満の精神障害者、重度身体障害者
または重度知的障害者について、「0.5人」として算定できるようになります。

 

障害者雇用のための事業主支援の強化(令和6年4月以降)

令和6年4月以降、事業主支援のため障害者雇用に関する相談支援、
助成金の新設・拡充が予定されています。
詳細については、決定次第、厚生労働省より案内される予定です。

障害者雇用率の引き上げを背景に障害者の職場や働き方が多様化しています。
そのなかで、政府は法定雇用率の達成のみが目的化されないよう
さまざまな課題について検討していくとされています。

今後の政府の動向に注視しながら、障害者雇用が目指す「共生社会」の実現に向けた
障害者雇用のあり方について考えていく必要があります。

 

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≪2023年6月1日発行 マロニエ通信 Vol.244より≫
https://www.arcandpartners.com/info/maronie