2023年05月11日 (木)

令和6年4月から労働条件明示のルールが変わります。

令和6年4月より施行される有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準の一部改定が
厚生労働省より令和5年3月30日に公示されました。
有期契約労働者の無期転換申込権のより活発な権利行使などを目的とした改定となっています。
今回は新しく追加される明示事項について解説いたします。

[Point1] 新しく追加される明示事項

①就業場所・業務の変更範囲
これまでも「就業の場所および従事すべき業務に関する事項」は明示事項でしたが、
雇い入れ直後の就業場所・業務を明示すれば足りると解釈されていました。
しかし今回の改定により、将来変更する可能性の範囲についても明示する必要があります。
明示の内容については、就業場所・業務の範囲が限定されている場合にはその内容を、
特に限定がない場合でも「会社の定める事業所」などと明示することが考えられます。
 

➁更新上限(有期労働契約の通算期間又は更新回数の上限)の有無と内容
最初の契約締結以降に「更新上限を新たに設ける」又は「更新上限を短縮する」場合には、
あらかじめその理由について労働者に説明する必要があります。


➂無期転換申込機会・無期転換後の労働条件

初めて無期転換申込権が発生する有期労働契約の締結時だけでなく、
それ以降に有期労働契約を更新する場合にも毎回明示をする必要があります。
「無期転換後の労働条件」は、期間の定めのほか、
賃金や労働時間など書面で明示すると定められている事項については書面の交付が必要です。

また、無期転換後の労働条件については就業の実態に応じて待遇の均衡を考慮することが求められており、
その事項については、労働者に説明する努力義務が定められています。

 

[Point2] 明示が必要なタイミング

今回新しく追加された明示事項の明示が必要なタイミングは以下の通りです。

令和6年4月施行のためまだ時間はありますが、
労働契約書や無期転換後の労働条件通知の形式等について事前に確認し、準備を進めていく必要があります。

労働条件通知書のモデルが厚生労働省より公開されております。
https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/001080104.pdf
こちらを参考に準備を進めていただければと思います。

 

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≪2023年5月1日発行 マロニエ通信 Vol.243より≫
https://www.arcandpartners.com/info/maronie