2023年04月27日 (木)

その外国人、貴社で就労できますか?

外国人を雇用する場合、日本で合法的に就労できるかは、適切な在留資格を保有しているかにより、
これを会社側で確認することは、法的な義務になります。

通常は、在留カードを見せてもらえば、その表面に
「技術・人文知識・国際業務」(技人国)等の在留資格が記載されており、
その在留期限を確認すれば、当該外国人が合法的に日本で就労できることが分かります。
(なお、「技人国」資格の場合は、単純労働をさせることはできません)

一方、在留カードに記載された在留資格の目的外の活動でも、
入管当局からの許可を取得すれば、就労することが可能です。

典型的な例は「留学」であり、本来勉強するために日本に滞在することを許される資格ですが、
生活費を補填するためにアルバイトをしたいという場合、
入管に申請して「資格外活動許可」を取得すれば、原則週28時間まで、
夏休みなど学則による長期休業期間には週40時間まで、就労することができ、
その旨が在留カードの裏面に記載されます。

これは「包括的許可」にあたり、就労先は特定されていませんので、
アルバイト先を変更する度に許可を申請する必要はありません。

しかし、外国人が就労できるか、直ぐには判別できないケースもありますので、注意が必要です。

例えば「特定活動」資格の方は、在留カードを見ただけでは判断することができません。
「特定活動」には、「難民申請中」や「ワーキングホリデー」など、様々な内容が含まれており、
許可された具体的活動は、パスポー卜に記載された「指定書」に記載されていますので、
それを確認する必要があります。

弊社で最近扱ったケースでは、指定されたのは「求職活動」と記載されておりました。
そして文中に「報酬を受ける活動を除く」とありましたので、
一見したところ、就労することができないように思えました。
そこで更に確認を進めると、この方は「資格外活動許可」を取得していましたので、
週28 時間以内の就労は可能ということが分かったのです。

別のケースでは、在留資格「公用」の方が、ある会社に雇用されていました。
「公用」資格は、外国政府の大使館等や国際機関に派遣された者
またはその家族に与えられるものです。
「公用」在留資格者には在留カード自体が発行されず、
パスポートを見て許可された活動を確認する必要があります。
大使館員等本人は本来の活動以外のことはできませんが、
その家族は「資格外活動許可」を取得し、民間企業で就労することが可能なのです。
更に、その資格外活動が、本来の目的の活動を妨げず、相当性があると入管当局から判断されれば、
「個別的許可」により、当該就労先においては、週28時間を超えて就労することも可能です。

許可を得ずに資格外活動に従事したり、許可された時間制限を超えて就労した場合には、
当該外国人は刑罰規程の適用を受け、国外退去強制の対象となり得ますので、
十分な注意が必要です。

 

弊社では、行政書士など他業種の専門家の協力を仰ぎながら、
外国人雇用に関わる諸問題の解決に尽力して参ります。

 

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≪2023年4月1日発行 マロニエ通信 Vol.242より≫
https://www.arcandpartners.com/info/maronie