健康に配慮して働ける環境を

令和5年4月から時間外労働の割増賃金率引き上げについて中小企業に対する猶予措置が廃止されます。
長時間労働に対する割増の支給ももちろん大事ですが、 入社する方が多い4月、
過重労働を減らし従業員が健康的に働ける環境についてあらためて考えてみてはいかがでしょうか。

今回は勤務間インターバル制度をご紹介します。

 

勤務間インターバル制度とは

深夜まで勤務し翌日早朝から出勤するといった勤務状況が続くと、健康を害するリスクがあります。

この制度は、終業時刻から次の始業時刻の間に一定時間以上の休息時間を設けることで、
従業員の生活時間や睡眠時間を確保しようとするもの
です。

平成31年4月1日より制度導入が事業主の努力義務となりました。

 

導入の主な事例

【例:11時間の休息時間を確保するために始業時間を繰り下げたもの】


23時まで勤務した場合、翌日8時に出社しようとすると 9時間しか確保できません。
11時間のインターバルを設け、翌日の始業時刻を2時間繰り下げます。

【パターン1】始業時刻を繰り下げ終業時刻まで勤務する
【パターン2】始業時刻を繰り下げた分、その日の終業時刻も繰り下げる
【パターン3】始業時刻を繰り下げた時間帯は勤務したものとみなす

このほか、ある時刻以降の残業を禁止し、次の始業時刻以前の勤務を認めない
といった方法も考えられます。

 

導入にあたっての注意点

制度を導入し運用するためには、労使による話し合いを土台とし、
各ステップに沿ってPlan → Do → Check → Actのサイクルを回しながら進めることが重要です。

①制度導入の検討
⇒②制度の設計
⇒③導入・運用
⇒④制度内容・運用方法の見直し

特別な事情が生じた場合などを適用除外とすることも可能です。
柔軟な対応で、実効性のある休息が確保されるよう配慮することが求められます。

 

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≪2023年4月1日発行 マロニエ通信 Vol.242より≫
https://www.arcandpartners.com/info/maronie