「副業・兼業の促進に関するガイドライン」の改定について

平成30年1月、働き方改革をふまえ、厚生労働省は副業・兼業に関する留意点をまとめたガイドラインを作成しました。

令和2年9月には副業・兼業のルールを明確化するためガイドラインを改定、
そして本年7月、2度目のガイドライン改定が行われました。

改定の内容とともに、あらためて副業・兼業において注意すべき点をまとめます。

 

今回の改定のポイント

今回の改定は、副業・兼業を希望する労働者が適切な職業選択を通じ、
多様なキャリア形成を図っていくことの促進を目指すものとなっています。

この観点から、企業の対応として
副業・兼業に関する情報について自社のホームページ等において公表することが望ましい
としています。

①副業・兼業を許容しているかどうか
②条件付きで認めている場合はその条件の内容

労働者の対応としては、上記により公表される情報を参考にして
適切な選択をすることが重要であるとしています。

 

副業・兼業の促進の方向性

副業・兼業についてガイドラインでは、
「労働者が労働時間以外の時間をどのように利用するかは、基本的には労働者の自由」
であるとしており、
原則として、企業は労働者の副業・兼業を認めるよう方向性が示されています。

ただし、次の場合においては副業・兼業を制限することも許されるとしています。

①労務提供上の支障がある場合
②業務上の秘密が漏洩する場合
③競業により自社の利益が害される場合
④自社の名誉や信用を損なう行為や信頼関係を破壊する行為がある場合

 

副業・兼業における労働時間管理

複数の事業場において労働者として勤務する場合は労働時間が通算され、
法定労働時間を超過した場合にはいずれかで時間外手当を支給する必要があります。

※双方の事業所、また事業所と労働者間で通算時間を調整する負担を省くため、
各々での労働時間の上限をあらかじめ設定しておくことが望ましいです。

※フリーランス・起業・業務委託など労基法が適用されないケースではその時間は通算されません。
ただし、労働時間通算の対象とならない場合においても、過労等により業務に支障をきたさないよう、
就業時間が長時間にならないための配慮が必要です。

 

 

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≪2022年9月1日発行 マロニエ通信 Vol.235より≫
https://www.arcandpartners.com/info/maronie