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近年、労働問題に関する事項(解雇、配置転換、いじめ・嫌がらせなどの労働問題等)について
労働者と事業主との間で個別労働紛争が多くなっています。
紛争を裁判で解決するには長い時間と多くの費用がかかってしまいます。
そのため、全国の都道府県労働局では「個別労働紛争解決の促進に関する法律」に基づき
紛争解決援助を行っております。
[Point1] 個別労働紛争解決制度について
個別労働紛争解決の促進に関する法律に基づく制度には 3 つの紛争解決援助があります。
①総合労働相談
全国の都道府県労働局と労働基準監督署に総合労働相談コーナーが配置され、
紛争への発展を未然に防止したり早期の解決を図ったりするために
労働問題に関する情報提供・個別相談のワンストップサービスが行われています。
②指導・助言
都道府県労働局長が紛争当事者に対して口頭または文書で問題点を指摘し、
解決の方向性を示すもので、紛争当事者の自主的な解決の促進を目的としています。
③あっせん
弁護士や大学教授など労働問題の専門家で構成される紛争調整委員会が紛争当事者間に入って
調整を行い、話し合いを促進することにより、紛争の解決を図ります。
[Point2] 令和 3 年度個別労働紛争解決制度の施行状況
令和3年度の労働相談件数は124万2,579件となっており、
過去14年間にわたって毎年100万件以上の相談が発生しています。
その中でも特に多いのが「いじめ・嫌がらせ」に関する相談となっています。
件数でみれば過去10年間概ね右肩上がりで増加し続けており、
割合でみれば令和3年度の実際に発生している労働紛争に対する相談件数35万2,914件のうち、
約4分の1にあたる8万6,034件の相談が寄せられています。
その他に相談件数の多かった「解雇」、「労働条件の引き下げ」、「退職勧奨」については、
令和元年、令和2年度はコロナウイルスの影響もあってか増加傾向にありましたが、
令和3年度は減少しほぼ横ばいとなっております。
中小企業にもパワハラ防止措置が義務化されました(2021年4・10月号_VOL218・224に詳細掲載)。
相談窓口を設置することで労働紛争を未然に防止し、早期解決が期待できます。
相談窓口では、相談人物の心身の状況や言動を受けた際の受け止め方などの認識への配慮をしつつ、
ハラスメントが生じているかどうか微妙なものや、
放置すればハラスメントが生じる恐れのあるケース等も対応する事が求められます。
今一度、社内の体制や運用が適切になされているか見直しをされてはいかがでしょうか。
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≪2022年8月1日発行 マロニエ通信 Vol.234より≫
https://www.arcandpartners.com/info/maronie