パワハラ指針を踏まえた実務対応

令和2年度に仕事が原因でうつ病などの精神障害を患い労災認定された608件のうち、
パワーハラスメントを原因とするものが99件と最多となりました。
本稿では、令和4年4月1日付で中小企業へも義務付けられるハラスメント防止措置に関連し、
パワハラの類型と実務対応について解説いたします。

 

Contents

パワハラの行為類型

政府が公表している
「事業主が職場における優越的な関係を背景とした言動に起因する問題に対して雇用管理上講ずべき措置等についての指針」
においては、パワハラの代表的な言動として次の6類型が示されています。

●身体的攻撃(暴行・傷害)
●精神的な攻撃(脅迫・名誉棄損・侮辱・ひどい暴言)
●人間関係からの切り離し(隔離・仲間外し・無視)
●過大な要求(業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制・仕事の妨害)
●過小な要求(業務上の合理性なく能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じることや仕事を与えないこと)
●個の侵害(私的なことに過度に立ち入ること)

 

相談窓口の設置

ハラスメントに関する相談対応義務として、「ハラスメント相談窓口」の設置が義務付けられました。
人事関連部門を担当部門とする場合は、人事評価に影響しないかなどの懸念を払拭し、
相談を理由とした不利益取り扱いを行わないことを周知・徹底する必要があります。
セクハラやマタハラの相談の場合も考慮すると、男女両方を配置することが望ましいといえます。
厚生労働省の「パワーハラスメント対策導入マニュアル(P.34)」においては、
社内に相談窓口を設置する際の担当者の例として次のように示しています。

【内部相談窓口担当者の例】
●管理職や従業員
●人事労務担当部門
●コンプライアンス担当部門、監査部門、法務部門等
●社内の診察機関、産業医、カウンセラー

予防対策としての職場の風土づくり

日常的に社内コミュニケーションをとることがパワハラの要因の解消につながります。
対面・リモート問わず、定期的な面談等を行うことにより、風通しのよい職場環境や
労働者同士の信頼関係の構築に繋がり、労働者の心理的安全性の向上を図れるでしょう。
最近では、性的指向や性自認に関する「アウティング」や「SOGIハラ」という言葉も聞かれるようになりましたが、
これらは「個の侵害」における“機微な個人情報”に該当すると考えられます。
今後はこうしたマイノリティへの理解と配慮も必要といえるでしょう。

 

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≪2021年10月1日発行 マロニエ通信 Vol.224より≫
https://www.arcandpartners.com/info/maronie

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