世界のマイナンバーとコロナ禍

新型コロナウイルス感染症が猛威を振るうと共に、緊急給付金や
ワクチン接種といった行政対応に関し、マイナンバー制度に注目が集まりました。
我が国のマイナンバー制度は、2015年10月から施行され、
個人番号、マイナンバーカード、マイナポータルの3つの仕組みから構成されていますが、
マイナンバーカードの普及率が26%にとどまる(2021年3月現在)ことに象徴されるように、
国民への浸透度は低いのが現状です。

この点に関し、(一財)自治体国際化協会が、世界各国での活用状況について、
興味深いレポートを発表していますので、シェアしたいと思います。

 

米国には、有名なソーシャル・セキュリティ・ナンバー(SSN)が存在し、
ニューディール計画の一環として社会保障給付のため1936年に導入されました。
その後、納税者番号として使われ、銀行口座開設や各種支払契約の場面など
民間企業でも広く利用されるようになり、現在では、事実上の普遍的な個人番号として機能しています。
一方で、SSNカードは紙製であり、氏名と番号のみ記載されていて、
生年月日も写真もありませんので、身分証としては使われていません。

 

米国では、今回のコロナ禍における緊急経済対策として、個人給付金(EIP)がIRSから
計3回支払われましたが、受給の前提条件がSSNを持っていることでしたので、
IRSは誰がいくら受給したのか、SSNを通じて把握しています。
なお、ワクチン接種においては、SSNを利用して対象者を把握する提案がなされたのですが、
「緊急医療を受けるのに個人情報を問うのはおかしい」とする民主党系知事らによる反対があり、
結局利用されませんでした。

 

 

個人番号を用いた新型コロナウイルス対策としては、お隣の韓国のものが特筆されます。
韓国では、約60年前の1962年に住民登録番号制度が導入されました。
住民登録番号は、税・福祉・教育など、様々な行政サービスにおいて利用されています。
コロナウイルス対策として、一世帯最大で約9万円の緊急災難支援金の支給、公的マスクの配布、
映画館などでのQRチェックインによる出入者リスト作成などで、住民登録番号が活用されています。

 

残念ながら、国際的に見て、日本のマイナンバー制度は、
新型コロナウイルス対策に最も活用されていない個人番号制度と言えるのが現状でしょう。
莫大な税金を注ぎ込んで設立、維持されており、今後の有効活用が求められます。

 

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≪2021年8月1日発行 マロニエ通信 Vol.222より≫
https://www.arcandpartners.com/info/maronie

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