2021年07月15日 (木)

ワクチン休暇制度について

現在、日本国内では医療従事者と65歳以上の高齢者への新型コロナワクチンの接種が進行しており、
今夏、64歳以下の世代への接種も徐々に拡大していく予定です。
そこで、政府は企業に向けてワクチン接種のための休暇制度の導入を呼びかけています。



[Point1] 制度の目的

ワクチン休暇を設ける理由のひとつは、接種が休日に集中することを防ぐためです。
また、接種後の副反応に備えるためとも言われています。
厚生労働省が公表しているコロナワクチン接種後の副反応は、次のものがあります。

ワクチンの接種率を上げることは新型コロナウイルス感染のまん延防止の第一歩でありますので、
従業員が積極的にワクチン接種を行える環境を整備することが大切と考えられています。

[Point2]導入事例と現状

公表されている主な大企業の対応をまとめました。

●ワクチン接種にかかる時間を就業時間内扱いとする
●接種日に、既定の有給休暇とは別に、特別有給休暇取得を可能に
●接種日当日もしくは翌日以降に副反応が出た場合には、特別有給休暇を取得可能に
●従業員の家族がワクチン接種する際の付き添いに対して特別休暇取得可能に
●接種完了した従業員に奨励金を支給

現時点では、ワクチン接種に向けた対応を決めているとした企業はわずか1割程度と低いデータとなっています。
ほとんどの企業が検討中もしくは検討を予定している状況で、まだ対応を決めかねている企業が多いのが実情です。

その背景には、年5日の年次有給休暇取得義務への対応が急務であることや
インフルエンザワクチンに対しても同様の接種要件が想定されるためという点が挙げられます。

政府がワクチン休暇制度の導入を呼びかけても導入するかは企業ごとの判断になります。
大企業並みの対応が困難でも、勤務時間中に接種を受ける場合には
「欠勤扱い」とはせずに「勤務免除」とするなども方法のひとつです。
いざ、従業員が対象となるワクチン接種が始まった時に対応に困らないためにも、
それぞれの自社実情に合わせて検討を始めてはいかがでしょうか。

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2021年7月1日発行 マロニエ通信 Vol.221より≫
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