2021年04月08日 (木)

障害者の法定雇用率が引き上げられました

「障害者雇用促進法」では、全ての事業主・企業等に対し、法定雇用率以上の割合で障害者を雇用することを義務付けており、
令和3年3月1日から、障害者の法定雇用率が引き上げられました。


法定雇用率とは、一定数以上の労働者を雇用している企業等に対し、
常時使用する労働者のうち、障害者をどれくらいの割合で雇用する必要があるかを定めた基準のことをいいます。

法定雇用率引き上げの概要

障害者の法定雇用率が、令和3年3月1日から以下のように変わりました。

民間企業の障害者の法定雇用率は2.3%と設定されており、
常時使用する労働者43.5人以上(改正前45.5人)であれば、1人以上の障害者を雇用することが義務付けられます。

障害者…身体障害者、知的障害者、精神障害者で「障害者手帳」の交付を受けている者

労働者数のカウント方法

「常時使用する労働者」とは
1週間の所定労働時間が20時間以上で、1年を超えて雇用される見込みがある、
または1年を超えて雇用されている労働者のことをいいます。
このうち、1週間の所定労働時間が20時間以上30時間未満の労働者は「短時間労働者」となり、
1人を0.5人としてカウントすることになります。

【例】
・正社員(週所定労働時間40時間):20人
・短時間労働者:30人
常時使用する労働者数 = 正社員:20人 + 短時間労働者:30人×0.5 = 35人 < 43.5人
  ⇒ 障害者を雇用しなければならない企業に該当しません。

障害者雇用における留意点

対象企業等に該当した場合
● 毎年6月1日時点の障害者雇用状況をハローワークに報告しなければなりません
● 障害者雇用推進者を選任するように努めなければなりません
● 従業員数100人超の場合、未達成者1人につき、月額50,000円(原則)の障害者雇用納付金が課せられます
● 雇用義務違反などがある場合は、行政の改善指導や企業名が公表されることがあります

少子高齢化が進む日本。労働力人口の減少など、多くの課題を抱えています。
コロナの影響で、経済は冷え込み、誰もが互いに距離を取らなければならなくなった日常において、
国が掲げる「共生社会」実現の理念のもと、障害者の雇用義務をマイナスに捉えるのではなく、
誰もが支え合い、協力し合える社会・会社を目指してはいかがでしょうか。

共生社会…これまで必ずしも十分に社会参加できるような環境になかった障害者等が、
  積極的に参加・貢献していくことができる社会のこと

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2021年4月1日発行 マロニエ通信 Vol.218より≫
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