2020年11月19日 (木)

テレワークについて

新型コロナウイルス感染拡大の影響により一気に広がりを見せたテレワーク。
単語としてはかなり一般的になってきましたが、その歴史や実態については
意外と知らない方も多いのではないでしょうか。


テレワークの歴史

1970年代、アメリカ・ロサンゼルスで自動車の普及による大気汚染の深刻化や、
2度にわたる石油危機への対応策として、出勤はせず自宅で仕事をする「テレコミュート
という働き方が導入されました。

これがテレワークの始まりです。

当時はあまり普及しませんでしたが、1980年代、PCの普及に伴いテレワークへの関心は高まり、
1990年代、インターネットの普及により導入が急速に進みました。
その後も地震などの天災やテロ、様々な労働環境の危機への打開策として広まりました。

日本においては、バブル経済の影響により地価が高騰し、都心部にオフィスを構えること、
従業員が住居を構えることが難しくなったためにテレワークは増加していきました。
バブル経済の崩壊とともに一旦影を潜めましたが、
1998年以降、PCやインターネット環境が一般的になるとともに
再び注目されるようになりました。

2015年の調査では、導入率が最も高いのがアメリカで、
当時の導入率は85%まで普及しました。
(参考:Survey on workplace flexibility 2015, WorldatWork)


テレワークの実態

新型コロナウイルス感染拡大前の日本企業におけるテレワークの導入状況としては、
導入済みが約20%、導入予定が約9%(参考:通信利用動向調査令和元年調査)であり、
まだまだ普及しているとは言えない状況でした。

しかし、今年4月の緊急事態宣言などを受け多くの企業が導入を進め、
東京23区内に絞れば実に55.5%(内閣府調査)の企業がテレワークを実施しました(全国平均は34.6%)。


テレワークは定着するか

オリコンが行った調査によると、8割以上の企業が「テレワークに賛成」でした。

一方で、労働者に今後の働きかたの意向について調査すると
6割がオフィスワークを求める結果となり、その理由として、
「自分の仕事が在宅勤務に適した業務内容ではないから(42.6%)」
「出勤したほうが規則正しい生活リズムを維持できるから(29.9%)」
「出勤したほうが適度な運動になって良いから(22.3%)」

などがあげられました。

テレワークの定着・拡大のために必要なこととして、
ペーパーレス、はんこレスなどの決裁における社内手続きの簡素化や、
コミュニケーションツールの充実などの労働環境の整備があげられますが、
個人の意識改革も必要なのかもしれません。


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2020年11月1日発行 マロニエ通信 Vol.213より≫
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