2020年10月08日 (木)

令和2年 年末調整が大きく変わります

平成30年度税制改正により、令和2年の年末調整作業は例年以上に複雑かつ煩雑になります。


[Point1] 主な改正点

①給与所得控除額の引き下げ
給与所得控除額が一律10万円引き下げられ、給与等の収入額(以下:年収とする)が
850万円を超える場合、控除額の上限が195万円になります。

②基礎控除額の引き上げ
基礎控除額が48万円に引き上げられ、合計所得金額が2,400万円を超える場合、
基礎控除額が段階的に引き下げられます。
※年収が2,000万円超の方は年末調整が対象外となる為、他に収入がない限り、
原則、年末調整で取り扱われる基礎控除額は48万円となります。

③配偶者・扶養親族等の合計所得金額要件の引き上げ
配偶者控除・扶養控除等の要件である合計所得金額が一律10万円ずつ引き上げられます。
※給与所得控除額が一律10万円引き下げられている為、年収で考えた際の要件(103万円など)に
変更はありません。

④所得金額調整控除の創設
年収が850万円を超える方が以下の(1) ~ (3) のいずれかに該当する場合、
年収額に応じて所得金額調整控除が受けられます(上限は15万円)。
(1) 本人が特別障害者である
(2) 23歳未満の扶養親族がいる
(3) 特別障害者である同一生計配偶者又は扶養親族がいる

⑤ひとり親控除の創設
これまで寡婦控除等が受けられなかった未婚のひとり親について、
下記の(1) ~ (3) のすべてに該当する場合、35万円の控除が受けられます。
(1) 生計を一にする子(所得要件有り)を有する
(2) 合計所得金額が500万円以下  
(3) 事実婚無し
※これまで寡婦控除を受けていた方で、ひとり親控除に該当しない場合でも、
事実婚無し等の条件を満たせば、これまで同様、寡婦控除(27万円)が受けられます。


[Point2] 今年は、コロナ禍での年末調整です

リモートワークなど、ビジネスの在り方も様変わりし、
社内のコミュニケーション方法など、様々な課題も出てきています。
例年とは違い、年末調整を進めていく上で社内の対応方法なども大きく変わる事が考えられます。
重要な改正点をおさえ、必要な情報の確認や書類などの回収を早めに対応していくことが重要です。


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2020年10月1日発行 マロニエ通信 Vol.212より≫
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