2020年07月16日 (木)

新型コロナウイルスと外国人労働者受入れ

先日、外国人技能実習生の受入れに関わる実務家が集ったオンライン会議に
参加させていただきました。
メンバーは、監理団体職員、受入れ企業担当者、現地送り出し機関職員、行政書士、
社労士など多彩で、それぞれの立場における現状と課題について忌憚のない意見を
伺うことができました。
もちろん一番のテーマは、新型コロナウイルス感染症の影響です。
日本政府が強力な入国制限措置を行っているため、そもそも技能実習生たちが日本に
入国できない事態が継続しており、関係実務家のビジネスがストップしてしまっています。
一方、他の実務家の方々とお話しするうちに、技能実習生という特殊な身分の
外国人に限らない、外国人労働者一般に通じる新型コロナウイルス感染症の影響への
対応策に話が及びました。

[Point1]  入国前の外国人労働者

今は、日本政府による入国制限により、内定していても母国に留まっている外国人労働者が多数います。
彼ら/ 彼女らにとっては「いつになったら日本で働けるのか」が一番の関心事ですが、
現状はっきりしたスケジュールを示すことは難しいことが多いでしょう。
会社としては、事業は正常に運営されていること、入国が遅れても採用されることに
変わりはないこと等を伝えておくと、安心感を持ってもらえます。


[Point2]  既に日本で就業している外国人労働者

新型コロナウイルス感染症の影響により、工場の生産調整等で自宅待機となった
外国人労働者も増えています。
会社としては、法定の休業手当制度について丁寧に説明し、支給することが必要です。
また、メンタルヘルスに対する配慮も重要です。
言葉の壁、情報収集の難しさから、日本人以上にストレスを受けやすい環境にあります。
何らかの不調を感じたら、積極的に話を聴く機会を設け、場合によっては専門家との
相談に導きましょう。


[Point3]  帰国できなくなった外国人労働者

本国の入国規制により帰国できず、引き続き日本で就業している外国人労働者もいます。
この場合、「お金も大事だけれども、早く帰国したい」と思っているケースが多いので、
やはりメンタル面でのサポートが重要となるでしょう。

新型コロナウイルス感染症が収束すれば、企業活動が再開され、再び外国人労働者の力が
必要となってきます。
この厳しい時期に外国人労働者を守る姿勢を貫くことで、自らの社員からの信頼も得ますし、
その評判は社外の外国人労働者にも伝わるものと思われます。



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2020年7月1日発行 マロニエ通信 Vol.209より≫
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