2016年05月12日 (木)

文化の尊重と海外ビジネス

こんにちは、アーク&パートナーズ米国税理士の成田です。

 

 

最近は外国人を雇用する企業が増えていますが、悩みの一つとして離職率の高さを挙げられることが多いようです。

その背景についてお話を伺うと、外国人側に問題がある場合のみならず、雇用した企業にも改善すべき点があったと

感じるケースが少なくありません。

 

特に、外国人の出身国の文化を尊重した労務管理ができていなかったケースを、たびたび耳にします。

例えば「春節の休暇を認めなかったら、退職してしまった」というケースがあります。

中国に限らず、旧正月の習慣のある国では、春節は家族で集まる一年で一番大きなイベントです。

この時期に帰省することができないと分かった時点で、入社早々退職してしまったという事例が複数あります。

予めこの時期はお休みを取れないことを了解してもらっておくか、特別にこの時期の休暇を認めておくことが望ましかった、

ということになります。

 

 

生活習慣により軋轢が生まれることもあります。お祝いごとにお米を撒く習慣のある国はいくつもありますが、

寮や社宅で度々お米を撒くことを人事部から注意したら、「日本人だって豆を撒くじゃないか」といって反論されたそうです。

「郷に入っては郷に従え」は当然の理屈であり、先ず外国人には日本のやり方を理解してもらう必要があります。

その上で、日本側からも、相手の文化や習慣をできる限り尊重することが、円滑な業務を遂行するうえで有益となってきます。

 

 

最近、上記とは逆のケースも目にしました。欧州系企業の日本法人に対して弊社が労務監査を行い、

その結果をアジア地区人事部門のトップの方にご報告した際のことです。

 

 

シンガポール人である彼女は、日本の労働法令・慣行が極端に労働者有利になっていることに驚きながらも、

「日本の法令・文化を尊重する」と仰っていました。私自身も、日本の労働法令・慣行は改善の余地が大きいとは感じますが、

海外本社の方針を強権的に押し付けるのではなく、先ずは日本のやり方を尊重していただくことは、

日本法人の社員が気持ちよく働ける基礎になるでしょう。

 

 

日本側から見ても、外国側から見ても、お互いの文化を尊重することは、国境を越えたビジネスの必須条件ではないでしょうか。

 

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