2015年06月23日 (火)

仕事のストレスは、労働時間ではなく裁量権にある

こんにちは、アーク&パートナーズ代表の黒川です。
新卒採用が始まり、学生から会社選びについて質問が受けることが多くなりました。

企業の採用人数が増加傾向にあり。学生優位の環境ですが、

学生にとっては初めての就活であり不安も多いと思います。

 

そんな学生から会社選びの基準として

「労働時間が短い」「福利厚生がいい」「有給が取りやすい」「有名な企業」など

という相談を受けると、「働かされる」という意識が強いんだなと残念に感じることがあります。
特に労働時間に関して学生の警戒感が強いように思います。

 

 

そこで今日は「労働時間」について、私なりの見解を書いてみたいと思います。
まず、仕事を「労働時間」と「裁量」の大小で4つに分類をしました。

① (D)短時間・裁量度低い=「(例)アルバイト・パート勤務」 →対応の必要なし
② (B)長時間・裁量度低い=「(例)一般職」 →企業の改善対応が必要
③ (A)長時間・裁量度高い=「(例)総合職」 →社員との目標共有が必要
④ (C)短時間・裁量度高い=「(例)高度専門職」 →対応の必要なし
最近のメディアでは「労働時間」にフォーカスし、様々な企業の労働問題が取り上げられています。

 

 

しかし、私は労働環境における本当の問題は「仕事の裁量権」にあるのではないかと考えています。

sairyou

①と④については、企業は対応の必要は特にありませんが、②の長時間で裁量度が低い社員に対して、

どのような働き方を示して行くのかは、企業の課題になります。
また③に関しては、企業が社員と目指すべき方向を共有する必要があります。

私は、従業員に質の高い仕事をしてもらうための「育成期間」として、③(長時間・裁量度高い)のような環境も

必要なのではないかと考えています。なぜなら、③の段階を経ないと、④に行くことはできないと経験上思うからです。

 

 

もし、この「育成期間」を部分的に取り上げて「ブラック企業」というレッテルを貼るような報道があるのであれば、

それは社会にとって大きな損失となっていると言えるかもしれません。

 

 

また、最近は育児支援に力を入れている企業も多く、女性の働きやすい職場が注目されています。

それ自身は大賛成です。しかし本当の育児支援とは、それらの恩恵を受けられない従業員へのモチベーションまで

考慮した労働環境づくりが必要です。ただ、そこまではメディアでもなかなか取り上げられてはいませんね。

一括りに社会人と言っても千差万別。夢や働き方も人それぞれ。それで構いません。しかし、新社会人の方や、

就職活動中の学生達には、労働環境の本質を理解し、報道に流されることなく、自らが活躍するステージを

選択していって欲しいと思います。