2019年08月22日 (木)

二極化する外国人社員

最近、企業で勤務しているホワイトカラー外国人社員で、在留資格を「高度専門職」に切り替える方が増えてきています。

これは、外国人が「自然科学・人文科学に関わる業務」等において日本で活動する場合に、

学歴や年収等を予め示された基準をもとにポイント計算し、その点数が70 点以上の場合には、

優遇された在留資格の取得を申請できるというものです。

優遇の内容としては、

①最初から5 年間の在留期間が付与される。

② 1 年または3 年で永住許可を申請できる。

③一定の条件の下、配偶者の就労、親の帯同、家事使用人の帯同も許される。

といった点があげられ、外国人社員にとってはメリットが大きいと言えます。

雇用する会社としても、

④在留手続きが優先処理される。

⑤在留期間が長いので期限管理が楽になる。

というメリットを受けることができます。

本来、この「高度専門職」に切り替えることができるのに、外国人社員本人も、会社側も、気付いていないケースも多いようですので、

一度確認してみることは有益と思われます。

一方、本年4 月より施行された改正入管法により、新たな在留資格「特定技能」が導入されました。

介護や建設業など14 業種において、「相当程度の知識又は経験を必要とする」と言いながら、

実態は単純労働に近い業務を行うことができる資格であり、経済界からの強い要望を受けて法制化されたものです。

特に、宿泊と外食業は、外国人技能実習制度においても存在しなかった業種であり、

全く新しい人材供給源として、関連業界から熱い視線を浴びています。

我が国政府は、この「特定技能」在留資格での受入れ人数を、5 年間で約35 万人と見込んでいますので、

近い将来、大量の外国人が新たに就労することになります。

ひとえに外国人社員と言っても、「高度専門職」と「特定技能」とでは、期待される業務内容や給与水準は全く異なりますので、

雇用する企業としても、人事労務対策は自ずと変わってきます。

一方、社会保障協定に基づく適用除外や厚生年金脱退一時金など、外国人社員であることによる、共通の手続きも存在します。

弊社では、我が国企業における外国人社員が二極化していく中、どのような場合でも、的確なコンプライアンスと

労務管理に関するサービスが提供できるよう、専門家として研鑽を続ける所存です。

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≪2019年8月1日発行 マロニエ通信 Vol.198より≫
https://www.arcandpartners.com/info/maronie