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平成27年7月に策定された「過労死等の防止のための対策に関する大綱」が、
勤務間インターバル制度(*)の周知や導入に関する数値目標を織り込み、3年ぶりに変更されました。
新大綱についてのポイントを以下にまとめましたのでご確認ください。
Point1:新大綱5つのポイント
①新たに「過労死等防止対策の数値目標」を設定
●週労働時間60時間以上の雇用者の割合を5%以下とする
●勤務間インターバル制度について、労働者30人以上の企業のうち、
「制度を知らなかった企業割合を20%未満とする」「制度の導入企業割合を10%以上とする」と設定
●年次有給休暇の取得率を70%以上とする
●メンタルヘルス対策に取り組んでいる事業場の割合を80%以上とする
●仕事上の不安、悩み又はストレスについて、職場に事業場外資源を含めた相談先がある労働者の割合を90%以上とする
●ストレスチェック結果を集団分析し、その結果を活用した事業場の割合を60%以上とする
*勤務間インターバル制度とは
退社してから翌日出社するまで一定の時間を空けなければならないことを義務付ける制度のこと。
すでにEUでは導入されており、退社から翌日の出社まで最低11時間の休息時間を設けることが義務付けられている。
例えば、残業で夜23時に退社した場合は、翌日は朝10時に出社すればよいというもの。
②国が取り組む重点対策の明記
都道府県労働局、労働基準監督署又は地方公共団体における対策を新たに設定し、
関係法令に基づき重点的に取り組む対策として下記3点を明記しました。
●長時間労働の削減に向けた取組の徹底
●過重労働による健康障害の防止対策
●メンタルヘルス対策・ハラスメント対策
③重点業種等の追加
過労死等が多く発生している又は長時間労働者が多いとの指摘がある職種・業種として、
自動車運転従事者、教職員、IT産業、外食産業、医療に加え、建設業、メディア業界を追加しました。
④新たな取組の設定
勤務間インターバル制度の推進、若年労働者、高年齢労働者、障害者である労働者等への支援の推進
⑤「職場におけるハラスメント」の予防・解決のための取組を明記
職場のパワーハラスメント、セクシュアルハラスメント、妊娠・出産等に関するハラスメントを
包括的に「職場におけるハラスメント」と位置づけ、その予防・解決のための取組を記載
Poitn2:今後に向けて
過労死ゼロに向けた様々な目標を数値化して示し、働き方改革関連法の成立により、
平成31年度から努力義務化されるインターバル制度の普及にも重点が置かれた内容となっております。
「過労死」を他人事と思わず、身近な問題として、社内環境の見直し等行ってみてはいかがでしょうか。
≪2018年10月1日発行 マロニエ通信 Vol.188より≫
https://www.arcandpartners.com/info/maronie