2018年09月13日 (木)

「より安く」の価格競争は日本の経済を衰退させる

※今回はインタビュー形式でお届けいたします。

 

-最近様々な国を訪問されているようですが、日本との違いなど感じる場面はありますか?

物価の違いはもちろんですが、それ以上に賃金の差を感じ、危機感を覚えることがありますね。

 

-危機感とは?

日本は外食にかかる費用がとても安いと感じます。

もちろんピンからキリまで差はありますが、安く済ませようと思ったら一食数百円で済む。

先進国としては、あまりに安いでしょう。

 

-外食産業は価格競争が著しいですね

一時間当たりの最低賃金が数百円。

その半分ほどの金額で一食をまかなえてしまう。

安いこと自体が悪いと言っているわけではないのです。

それにかかる労働力や原価、さらには客側が求めていることのバランスが壊れているのではないかと感じます。

しかもそのアンバランスの具合が加速しているのではないかと。

 

-外食産業にはブラック企業も多いと聞きます

例えば、安く食事ができるお店があったとします。

「安くてお腹いっぱいになる」と喜ぶ人に、じゃあここで働きたいですか?と聞くと、

それはちょっと…と思う人もいるかもしれません。

なぜ躊躇するのか。

それは、報酬に対して仕事がキツいことが容易に想像できるからでしょう。

単価が安く、企業に入ってくる金額が少なければ、人件費に割く金額も限られます。

薄利多売の商売で、多売が続くとは限らない。

料理も人件費も安く済ませようとすることで、

クオリティが保てなかったり、労働者に無理がかかります。

数百円の時給には割に合わない厳しいクレームを受けることもあります。

 

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-悪循環ということでしょうか

そうですね。

以前話題になりましたが、例えば宅配便。

時間指定をするのとしないのとでは、普通に考えたら料金に差があって当然だと思うのです。

時間指定があれば、渋滞を先読みして配達地へ向かったり、

早く着きすぎてしまったら時間を潰す、ということもあるかもしれません。

経済を円滑に回すためには、それなりの対価が必要なことが必ずあるのです。

しかしそれを「サービス」という言葉で、あたかも企業努力のような顔をして、

従業員に負担をかけたり、費用を削っているところが存在する。

 

-既に根は深いと思いますが、どうしたら改善できるのでしょう

若いうちは苦労すべし、下っ端は我慢すべしというような根性論を、都合良く利用しないことでしょうね。

また、企業側も客を選ぶ時代に入っています。

何でも受け入れて、下の者が苦労したり、

人海戦術で切り抜けるというようなことを続けていては、企業が疲弊します。

このサービスにはこれだけの対価が必要ということを企業側が明確にし、

消費者側もそれを受け入れるべき時代です。

「こんな安い時給でこの店では働きたくないけど、安いから毎日ここで食べる。高くなったらもう来ない。」

という考え方には矛盾があるのだと気付くべきなんです。

外国人労働力は安く買えると考えている日本人ですが、世界から見ると、日本人の労働力は案外と安い。

「日本人は安く使えるから、この程度の仕事は日本人にやらせよう」と思われる未来は遠くないかもしれないのです。