2018年07月24日 (火)

フレックスタイム制の割増賃金の計算方法について

働き方改革法案の審議が進む中、フレックスタイム制の導入のご相談が増えてきましたので

フレックスタイム制における割増賃金の計算方法についてご紹介したいと思います。

 

[Point1] 時間外労働をした場合

清算期間(1ヶ月など)における総労働時間(緑枠。労使協定で定めが必要)に比べ、

実際の労働時間(赤枠)が上回った場合、時間外手当の支払が必要です。

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労働基準法上は、法定労働時間の総枠(青枠)※ に至るまでは、

いわゆる「法定内残業」となり100%分の賃金を払えばよく、

法定労働時間の総枠を超えた分については125%以上の賃金の支払いが必要となります。

(ただし、法定内残業についても割増の対象とする定めをしていれば125%以上の割増賃金の支払義務があります)

 

[Point2] 超過分を翌月に繰り越すことはできるか

超過分は時間外労働として清算期間ごとに賃金で清算しなければなりません。

翌月に繰り越して充当することは認められません。

 

[Point3] 深夜労働をした場合

深夜労働(午後10時から午前5時)をした場合には、

会社はその時間を把握し25%以上の率で計算した割増賃金を支払わなければなりません。

(Point1の時間外手当に上乗せして支払うことが必要です)

 

[Point4] 法定休日出勤をした場合

法定休日に出勤した場合は、会社がその労働時間を把握し、

35%以上の率で計算した割増賃金を支払わなければなりません。

よって、割増率の異なる法定休日における労働時間は別で集計し、把握する必要があります。

 

法定休日が総労働時間の枠である場合

⇒月給制の場合、法定休日労働を含む総労働時間がその月の総労働時間の枠内であれば、

すでに月給として100%の賃金が支払われていることになるのでその時間については35%のみの時間外手当を支払うことで足ります。

 

法定休日が総労働時間の枠である場合

⇒135%以上の率で計算した割増賃金の支払いが必要です。

 

法定労働時間の総枠とは・・・1週間の法定労働時間×清算期間の週数(清算期間の暦日数÷7)

⇒清算期間が1か月の場合、30日の月は40×30÷7=171時間25分

 

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≪2018年7月1日発行 マロニエ通信 Vol.185より≫
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