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先日、ご縁があって、旧ソ連コーカサス諸国の一つの大使館のレセプションにご招待いただきました。
そこでは、ブドウの葉を使った料理など興味深い体験をさせていただいたのですが、
同時に大変驚いたこともありました。
まず、当日会場が予告もなく変更されており、変更前会場には変更後会場の案内も出ていなかったので、
会場にたどり着くのに苦労してしまいました。
それ以外にも色々あったのですが、特筆すべきはミニコンサートでした。
ピアノとバイオリンのアンサンブルの予定だったのですが、待てど暮らせどバイオリン奏者が到着せず。
結局ピアノの独奏となったのですが、なぜバイオリン奏者が来なかったのか、最後まで説明はありませんでした。
大使館ですらこの調子ですから、この国とビジネスをするのは大変であろう、と想像した次第です。
話は変わって、最近、単純労働に携わる外国人労働者の受け入れ策の政府原案について報道がなされました。
技能実習生が実習終了後でも最長5年間の就労資格を取得できることに加えて、
特に人手不足である建設・農業・宿泊・介護・造船の5分野に関しては、
「特定技能評価試験」を新設し、合格すれば就労資格が得られるようにするとのことです。
後者については、日本語が苦手な人でも受け入れることを特徴とし、
日本語能力試験の「N4」を基準とするものの、建設と農業では「N4まで求めない」そうです。
これにより、当該5分野において、2025年までに50万人超の受け入れを政府は目指しています。
これらのことは、日本社会にどのようなインパクトを与えるでしょうか。
それは職場においても、地域社会においても、日本語が通じることや、
以心伝心のコミュニケーションがとれることが、前提ではなくなることを意味するでしょう。
これにより、職場での労務管理もこれまでとは異なってきますし、
地域社会では教育や社会保障に追加的な労力・コストが発生してくるでしょう。
外国人労働者を受け入れすれば、労働力を得ることはできます。
一方、それによる労力やコストも発生することに対し、覚悟が必要となると思います。
≪2018年7月1日発行 マロニエ通信 Vol.185より≫
https://www.arcandpartners.com/info/maronie