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働き方改革の一環として、自宅などオフィス以外の場所で働く
リモートワーク(またはテレワーク)が注目を集めており、
我が国政府も積極的な導入を呼びかけています。
一般に、リモートワークは、情報セキュリティと限定的なコミュニケーションがネックと言われていますが、
先ずは試してみるというケースが、日本でも大企業から中小企業まで拡がっているようです。
そこで、リモートワークの本場であるアメリカの事情を調べてみたところ、
特に最先端ともいえるIT業界に関し、興味深い話をいくつか発見できました。
ギャラップ社の調査(2017年)では、米国人労働者の半数近くが、
就職する際には、リモートワークによる柔軟な働き方ができるかどうかを重視する、と回答したそうです。
PC大手のデル社では、約11万人の従業員のうち、既に58%が週1回はリモートワークを行っていますが、
2020年までに50%の従業員が週半分はリモートワークできるようにすると発表し、話題を呼びました。
また、最近注目を集めているのは、企業と会社の中間とも呼べるコワーキングスペースを活用する事例です。
例えば、マイクロソフト社は、WeWork社の提供するコワーキングスペースを利用しています。
一方で、逆の動きが見られることも、注目されます。
IBM社は、長年リモートワークを推進してきましたが、
2017年に制度自体を廃止し、従業員にオフィスで働くか退職するかの決断を迫りました。
また、ヤフー社も、フルタイム従業員の約25%がリモートワークを利用していましたが、
在宅勤務を禁止し、オフィスでの勤務を義務付ける方針を発表しました。
この両社に関していえば、「チームワーク・一体感の欠如」と
「思ったような不動産賃料等コストの削減につながらなかった」ことが原因だそうです。
そして、グーグル社は、当初からオフィス外での勤務を許可しておらず、
その代わりに、社内に無料のカフェテリアなど、生活が完結できるような福利厚生を完備しています。
リモートワークは、世界的な潮流ではありますが、アメリカでも試行錯誤中です。
「仕事はどこでするべきか」は、
日本でも各企業の実情とポリシーに合わせ、徐々に変化していくのではないでしょうか。
≪2018年4月1日発行 マロニエ通信4月号 Vol.182より≫
https://www.arcandpartners.com/info/maronie