2018年03月29日 (木)

副業を許可制から届出制へ~働き方改革~

政府は「働き方改革」として、社員の副業・兼業を推進するため、モデル就業規則において、

これまで許可制として原則禁止していた副業を届出制により推進する条文を追加しました。

その経緯と、対応するうえでの懸念点をここで検討してみます。

 

◆副業・兼業推進の経緯

 

1)近年の裁判例:

労働者が労働時間以外の時間をどのように利用するかは労働者の自由であるとし、企業が副業・兼業を制限できるのは

①本業への労務提供の支障となる場合

②企業秘密が漏洩するなど企業秩序に影響する場合

③信頼関係を壊す行為がある場合

④競業にあたる場合

に限定しています。

 

2)政府の働きかけ:

副業・兼業は外部から技術やアイデアを新しく創出することや、起業の手段、第2の人生の準備にも有効であるとし、

「合理的な理由なく副業・兼業を制限できないことをルールとして明確化」することを要求しています。

 

◆厚生労働省モデル就業規則(平成30年1月)

1

 

◆副業・兼業を容認することへの懸念点

1)本業及び副業・兼業による加重労働への企業側の対応が必要になります。

2)他社での就業時間も通算して時間外労働を算定する必要があり(労基法第38条)、労働時間の把握方法等、管理が課題となります。


≪2018年3月1日発行 マロニエ通信3月号 Vol.181より≫
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