2017年02月14日 (火)

ブラック企業問題解決に必要なのは、経営者の意識改革

ブラック企業に関する報道が後を絶ちません。

パワハラやセクハラ、残業代未払い、長時間労働。

被害を受けている側がなかなか言い出せなかったり、

言うと内部告発と捉えられることが怖くて泣き寝入りすることも多い問題のようです。

 

忍耐こそが尊いと考えがちな日本人。

見えていないだけで、

社会にはもっと多くの問題が潜んでいるのではないかと考えます。

 

そもそもブラック企業とはどのような会社を指すのでしょうか。

一般的には、過重労働や違法労働など劣悪な職場環境であったり、

過労死など重大な問題を起こした会社を指す場合が多いようです。

では、ブラック企業の対義語はホワイト企業でしょうか。

 

ホワイト企業とはつまり、

どんな法も犯さず、社員全員が肉体的にも精神衛生的にも健康で、

完全にクリーンな会社としましょう。

 

私は、そんな会社は存在しないと考えています。

程度の差はあれど、問題の種はいつも影を潜めているもの。

見えないところに問題は隠れているのです。

 

先日日経の記事に「長時間労働 是正中が8割」という記事がありました。

経営者の8割が管理職の意識改革や残業の事前許可制の導入など、

是正に着手したと回答したとのこと。

 

ここには大事なことが抜けています。

管理者ではなく、“経営者”の意識改革こそ必要。

しかし経営者には、

自分にも問題があるかもしれないという危機感が抜け落ちているのです。

 

問題を人任せにすること。

これこそが、ブラック企業の根底にある悪なのです。

必要なのは“経営者”の意識改革だと考えます。

是正を管理者の意識に委ねているようでは変わらないと思うのです。

経営者の意識改革、つまり会社の体質を変えなければならない。

黒川さん0214

仕事とはマラソンのようなものです。

仕事の完了が42.195キロ先だとすると、その距離を何時間で走るかは人それぞれ。

3時間で走る人もいれば、6時間かかる人もいる。

10時間かかっても走り切れない人もいます。

 

何時間走っていても放置していれば、それこそ長時間労働です。

その“区切り”とは、スキルの見える化。

スキルを自覚することで、社員の意識が変わります。

経営者だけではなく社員の意識改革も重要です。

それは社内に限らず、取引先に対しても同じこと。

無理に仕事を請け負って、いつでも何でもできる体制にしてしまうと、

いずれは社員に無理がかかる。

 

出来ることと出来ないことを明確にする。

それは自社の社員を守ることでもあり、取引先を守ることでもある。

 

百貨店もお正月三が日の休業を検討しています。

大きな企業が休めば、それに関わる会社も休める。

社員と取引先のバランスを取り、

WIN-WINの関係を築くことも正しい会社のあり方です。

 

時代の流れに沿って経営者も変わっていかなければならない。

いつまでも同じ仕事があると思っていては、

ほんの数年後の社会に生き残っていられないかもしれないのです。