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1.育成就労制度パブリックコメント
去る5月2日に、育成就労制度に関する省令案等のパブリックコメント(パブコメ)が発表されました。
これまでの技能実習生制度に代わるものとしての育成就労制度の施行予定日は、
2027年4月1日になっていますので、その2年も前からパブコメを募集するのは、かなり異例です。
明細が決まっていない部分もありますが、これまで技能実習生制度等においても、
パブコメ発表とほぼ同じ内容で政省令が施行されていますので、
今回のパブコメを読むことにより、今後の制度内容における留意点を考えてみたいと思います。
2.日本語能力の要求
これまでの技能実習生制度では、
日本語能力があるに越したことはないが、必ず要求されるものではありませんでした。
しかし、新しい育成就労制度では、
入国前・入国後講習において、長時間の日本語講習を必須とし、
就労してからも、日本語の勉強を継続することが、前提となっています。
そして受入企業は、育成就労期間中の外国人に、日本語教育の受講機会を提供し、
その費用を負担しなければなりません。
更には、育成就労2号から特定技能外国人1号に進むには、
日本語検定N4に合格していることが、実務の技能検定基礎級の合格と共に、必須となりました。
これらのことから、2030年頃には、日本語検定 N5を取得していないと、
そもそも育成就労1号で日本に入国できなくなることもあり得ます。
3.転籍
技能実習生制度では、原則転籍はできませんでしたので、
それが劣悪な労働環境と失踪の根源と批判されてきた反面、
受入企業にとっては、安定した労働力供給源となってきました。
育成就労制度の創設にあたっては、受入企業側の不安が大きかったですが、
パブコメでは、1年目は転籍不可、2年目は条件付き転職可(分野による)、
3 年目は転籍可能とされました。
そして転職するためには、当該外国人は、技能試験(検定基礎級等)
および日本語検定試験(等級は分野による)に合格していなければなりません。
受入企業は、転職も含めた離職率をどの程度見込むのか、
転籍者の過去の教育費用の一部負担をしてまで雇用するのかなど、考えておかねばなりません。
4.監理支援機関の要件
技能実習生制度における監理団体の代わりに、
育成就労制度では監理支援機関が置かれることになり、厳しい要件が課せられます。
例として、
①債務超過になってはならない
②職員1人当たり、受入企業8社未満、育成就労外国人40人未満
③外部監査人は、行政書士・社労士等の他、知見を有する者
④母国語等による十分な保護対応能力
などが挙げられます。
5.2年後に向けて
国際的な批判を受けることも多かった技能実習生制度に代わるものであり、
関係者に要求される水準が、これまでに比べて高くなっています。
一方、日本で就労してくれる外国人材の育成と確保という目的が明確に定められましたので、
特定技能外国人制度と一体となって、貴重な労働力供給制度として、期待されています。
弊社としては、人事・労務の専門家として関係機関のお役に立てるよう、
研鑽を重ねる所存です。
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≪2025年7月1日発行 マロニエ通信 Vol.269より≫
https://www.arcandpartners.com/info/maronie





