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こんにちは、アーク&パートナーズの小川です。
5月に政府から発表があった“1億総活躍プラン”に、「雇用形態に関係なく、同じ仕事であれば同じ報酬を得るべき」という内容の『同一労働同一賃金』の実現が盛り込まれました。これは、現在の労働市場の約4割を占めると言われている非正規雇用者の待遇改善を目指したところが大きいように思われます。
企業側の懸念としては人件費上昇に繋がるという点もあるでしょうが、それ以前に、「同一労働とは何か」を考える必要があります。すでに『同一労働同一賃金』の考え方が広まっているヨーロッパでは、性別や国籍などによる賃金差別の禁止から始まり、フルタイムとパートタイムとの賃金差をなくす制度を経緯がありますが、日本は勤続年数による賃金差が大きかったり、職務の区分が必ずしも明確でなかったり、同様に進めていくのには難しさが残ります。
会社には様々な雇用形態、働き方の人がいます。一見同じような仕事をしているように見えても、その仕事に関する責任範囲の持ち方や、求められるスキルに差がある場合があります。例えば、日常的には同じ実務をこなしていても、取引先と交渉するのは正社員に限られたり、決まった時間内で限定的にしか働けない人もいます。
このように、“差別”ではなく、“区別”をどのように『同一労働同一賃金』の考えに当てはめるのか、また、日本のこれまでの賃金制度とどう調整をとっていくのか、いろいろと課題があります。もちろん、理不尽な形での賃金差が是正され、非正規雇用者の待遇が改善されるのは歓迎すべきことです。
『同一労働同一賃金』の実現には、まだ多くの議論が必要となりそうです。働き方を見直すきっかけにもなるかもしれません。私達は、様々な視点から判断して、誰もが均等な待遇を受けられるよう、アドバイスしていきたいと考えています。