2019年01月24日 (木)

労使協定の基礎知識

労働基準法(以下労基法)には、労使協定を要件として適用できる制度などがあります。

今回はあらためて労使協定の意義やどんな種類があるのかをまとめてみたいと思います。

[Point1] 労使協定の役割とは

労基法の各規定は原則的に全ての労働者に適用され、使用者はその規制を受けます。

しかし職場の多様な実情を考慮し、例外として使用者が規制を免れる余地も認めており、

その例外要件として求められるのが「労使協定」という手続きです。

なかでも一番代表的なのが「36協定」です。

使用者は36協定を締結し労基署に届け出ることで、

法定労働時間を超えて労働者を労働させても労基法違反に問われることはありません。

これを「免罰的効果」と呼びます。

[Point2] 労使協定に必要な手続きとは

1.過半数労働者との同意

「事業所に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合にはその労働組合、

それがない場合には労働者の過半数を代表する者との書面による協定」

原則、適用される労基法の規制を例外的に解除してもらうための手続きなので、

過半数”という集団的な労働者の同意を要することとされています。

~「過半数労働者」に含まれる労働者(注意すべきポイント)~

・労働時間規定の適用がない法41条2号の規定に該当する管理監督者

・パート・アルバイトなど短時間労働者、産休・育休中の労働者、休職者

2.「労働者の過半数を代表する者」の選任

・管理監督者ではない者

・労使協定の締結等を行う者を選出することを明らかにして実施される投票・挙手等の

民主的な方法による手続きにより選出された者であること

※適正な手続きを経ていない場合には協定が無効となります。

近年の調査では選任方法に関して確認をされるケースも増えていますので、

選任方法に関する記録等を残しておくことをお勧めします。

[Point3] どのようなものが労使協定により適用できる?

規制解除・免罰効力をもつ労使協定は、労基法において例外を認める制度のため、

全ての規定に適用されるわけではなく、労基法が特にその旨を定めたものにしか認められません。

主要なものは次のとおりです。

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労使協定を要件として適用できる制度は上記以外にもあります。

これからの時代にあわせた柔軟な働き方を進めるにあたっては、

法規制を解除する労使協定締結を要件とされる場面も増えるのではないでしょうか。

ご不明な点がありましたら、弊社担当者にご相談ください。

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≪2019年1月1日発行 マロニエ通信 Vol.191より≫
https://www.arcandpartners.com/info/maronie