無期雇用への転換は企業の負担を増やす悪法ではない

2012年の改正労働契約法により、有期契約が繰り返し更新されて通算5年を超えた場合、

有期契約労働者は無期雇用へ転換の申込が出来るようになりました。

また2015年の改正派遣法により、派遣社員の派遣期間の上限は組織単位でも個人単位でも原則3年となり、

その後は派遣先への直雇用の依頼等、雇用安定措置の実施が義務化されました。

 

そこで最近増えているのが「有期雇用契約を法に触れる前に終了させたい」という相談。

社員を抱えるには何かと負担が増える、その前に何とかしたい…という経営者側の思いが見られます。

 

相談を受けて話をしてみると、実はこの不安の中にある「何かと負担が増える」ことについて、

具体的に見えていない場合が多いように感じます。

支払う給与が増えるのではないだろうか、保険料はどうなるのだろう、など、

漠然と「無期雇用より有期雇用の方が得だ」と考えている場合もあるようです。

 

しかし実際に得なのでしょうか。

有期雇用だからと安易に人材を減らしては、業務に支障が出たり、

結局また有期で人を雇うこととなり、採用や教育のために時間も費用もかかります。

必要な人材だからこそ、繰り返し更新してきた場合もあるはず。

 

無期雇用と言っても、給与や労働時間は今までと変えずに転換することも可能です。

時短勤務や転勤の有無など、労働者側の希望に沿った契約も可能です。

 

派遣社員の場合、毎月派遣会社に支払うマージンが発生しています。

その分をそのまま社会保険料等に充てられると考えれば、保険料負担が無期雇用への転換のハードルになるとも思えません。

 

むやみに制度改正を恐れるのではなく、良い意味で活用できるよう、

弊社ではそれぞれの会社に合ったご提案をさせていただいています。

 

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