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※今回はインタビュー形式でお届けします。
-御社の働き方改革がお客様に好評だそうですね
そうなんです。弊社の働き方改革は段階的に進めていて、まずは休みを増やし、
フレックスタイム制やインターバル勤務の導入で個々が自身の勤務時間を管理するようにし、
さらに外部講師による社員教育などによって、顧客によりご満足いただける仕事ができるように、
社内改革を進めています。
-段階的にということは、次の段階も既にお考えなのですか?
働き方改革というと、どうしても労働時間や社内環境に目が向きがちです。
しかし、それだけではありません。ましてや外資系企業やITベンチャーのような社風をマネたり、
洗練されたオフィスを作ることが働き方改革ではありません。
次の段階の働き方改革は、“10年後の社会に自分の居場所を作るための準備”に近いと思っています。
あなたは10年後に何をしているか真剣に考えたことがあるか
-10年後の社会における居場所とはどういうことでしょうか?
「あなたの仕事は10年後にもありますか?」と聞いた時、「ある」と断言できる人はどれだけいるでしょうか。
コンピューターができる仕事ではない、と考えていても、仕事の仕組みが今と全く変わらないとは言い切れません。
部分的にコンピューターが担うだけでも、人員削減は容易に考えられる未来です。
人口減や少子高齢化によって需要の減る業界も多いはず。
つまり、キャリアアップやキャリアチェンジを考えなくても良い業種というのは相当限られているはずなのです。
-それを考えることこそが働き方改革、ということですか?
そうですね。今の環境を良くすることだけが改革ではなく、もっと先を見据える必要があると思っています。
日本は、”日本語”というこの国でしか通用しない言語であったがために、
外国人を雇用したり、外国で働くということを現実的に捉えない人が多いまま今までやってきました。
外国人が日本で働こうと思っても日本語が出来なければ難しい、外国語学習の進んでいない日本人が海外で働くのも難しい。
その代わり、日本人が日本で働くことは守られてきた。
日本で生きていくなら日本語さえできればいいというのが現実でした。まさにガラパゴスです。
-それが少しずつ変わってきていますよね
先日、中国にあるBPOセンターを視察したんです。海外にあるBPOセンターというと、
大人数のスタッフで大量の入力作業をするようなイメージがあるかもしれませんが、そこは全く違いました。
日本の慣習や法律を熟知したスタッフが、
日本語が飛び交う環境で日本語で書かれた作業ファイルや書籍を基にして仕事を進めている。
当然のようにスタッフ全員が日本語を見事に操っていました。
日本にいるのと何も変わらない、国は中国、社内は日本、そんなオフィスでした。
-日本で行っていた仕事を海外でするということは、人件費が安く済みますよね
もちろんそうです。今までの日本の考え方は、「日本語ありき」でした。
どんなに仕事ができたとしても、日本語でのコミュニケーションは必須。
それができないから、外国人を受け入れられないし、日本人が海外に行くこともできない、
そのように考えられていました。しかし、今では海外が日本に合わせてきています。
-日本語を使うようになってきたということですか?
ただ日本語を使うだけではなく、日本の文化や法律を学んだ上で日本語を使っているので、
日本人の考え方をも理解しています。
日本語は日本だけで使われていると思っていた人は、もう安心してはいられない。
危機感を持つべきです。
-危機感を持つこと、それも働き方改革、でしょうか?
今の仕事が10年後にもあるのか、自分が65歳になった時にどんな仕事をしているのか、
危機感を持つと考えざるを得なくなります。
世の中の変化に気付くこと。
働き方改革は、決して今を楽にするためのものではなくて、キャリアを見直すことだと考えています。