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提携先の行政書士事務所からの紹介で、現在香港に居住しているアメリカ人の方が日本に拠点を移すにあたり、
会社を設立したいというご相談が持ち込まれ、弊社グループの司法書士と一緒に対応しました。
2015年3月の法務省の事務取扱い変更により、非居住者のみが代表取締役であっても、
日本に株式会社や合同会社を設立することができるようになりました。
しかし、会社名義の口座を開設するにあたり、代表取締役のうち
少なくとも一人が日本居住であることを金融機関が求めることが殆どであるため、
実質的には日本居住のパートナーがいないと、会社の運営を始めることができません。
また、この場合、本人が日本で合法的に会社経営を行える就労ビザを取得する必要がありますが、
それは「経営・管理ビザ」となります。
その申請のためには、資本金として500万円以上を出資するか、2人以上を雇用する必要があります。
いきなり2人以上の雇用はハードルが高いので、500万円以上の資本金拠出で済ませる場合が多いです。
そしてこのようなケースで大きな問題になるのが、取得した「経営・管理ビザ」を確実に更新していけるかです。
小規模な会社ですと、通常最初の滞在許可は1年しか下りません。
更新を続けているうちに、3年、5年と滞在許可年数が延びていきます。
ここで、入管当局が「経営・管理ビザ」更新の審査で重視するのが、「会社継続の安定性」なのです。
そのため、会社が赤字であると、「会社の継続性に疑義がある」として、
ビザの更新が不許可になってしまう可能性が出てきます。
この事情に疎い会計事務所が当該会社の会計/税務業務を請け負った場合は、
「税金を払わなくてよいから」という理由で、赤字で決算・税務申告を行った結果、
会社代表者のビザが更新できず、日本で会社経営が継続できなくなってしまうことになりかねません。
このように、日本で外国人がビジネスを行っていくには、日本語の壁以外にも、多くの関門が待ち受けています。
我が国政府がどこまでその大変さを理解しているのか、疑問を感じる場面は少なくありませんが、
弊社としては、専門家グループとしての総合力を最大限活用して、
今後もお客様のビジネスをサポートさせていただく所存です。