2024年03月14日 (木)

令和6年10月改正 短時間労働者に対する社会保険の適用拡大について

本年10月より、現時点では被保険者数101人以上の事業所が対象となっている
健康保険、厚生年金保険(以下、社会保険という)における特定適用事業所の範囲が拡大され、
被保険者数が51人以上の事業所は、新たにパート、アルバイトなどの短時間労働者を
社会保険に加入させることが義務となります。

特定適用事業所となる事業所

以下のいずれの要件も満たす事業所が新たに特定適用事業所となります。
① 厚生年金保険に加入している被保険者数が51人以上
 ※適用拡大の対象となる短時間労働者、70歳以上の健康保険のみ加入者は含みません。
② 1年のうち6か月間以上、被保険者数51人以上となることが見込まれること。

短時間労働者となる労働者

現在社会保険に加入していない労働者うち、
以下の4つすべての要件を満たす方が新たに被保険者となります。

(参考)東京都の場合:週20時間以上の契約であれば、月額賃金も8.8万円以上となる。
           →時給1,113円(最低賃金)×20時間×52週÷12か月=月額賃金96,460円
※東京都のほか、最低賃金が時給1,016円以上の府県(埼玉、千葉、神奈川、愛知、大阪)が該当

対象者への周知


新たに短時間労働者となる方には10月以降社会保険加入が必須となることを
事前に説明することが必要です。
社会保険への加入で保険料負担の発生が注目されがちですが、
健康保険の傷病手当金出産手当金の受給、将来の厚生年金額の増額など
労働者にとって良い点があることも事実です。
また、短時間労働者と社会保険扶養範囲内(年収130万円未満)の対象となる賃金の範囲に
違いがあることも留意したうえで、労働者と場合によっては10月以降の労働条件見直しが求められます。

最後に、改正まで半年以上時間がありますが、
各労働者との調整など一朝一夕では対応できない事項になりますので、
新たに特定適用事業所となる場合は早めに準備を進めることが重要です。

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≪2024年3月1日発行 マロニエ通信 Vol.253より≫
https://www.arcandpartners.com/info/maronie