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今年も例年通り、10月に地域別最低賃金の改定がありました。
今回は、地域別最低賃金の改正ポイントとともに、最低賃金の適用範囲をご紹介いたします。
また、毎月の賃金は、最低賃金額を上回る支払いが必要となります。
支払額が基準を満たしているかの確認方法もご紹介いたしますので、
このタイミングで一度、見直しを行いましょう。
[Point1] 今年の改定ポイント
今年の地域別最低賃金の改定ポイントは以下の通りです。
・改定額の全国加重平均額は874円(昨年度848円)
・最高額(東京都985円)に対する最低額(鹿児島県761円)。
最高額と最低額の比率は、77.3%(昨年度は76.9%)と4年連続の改善
・全国加重平均額26円の引上げは、最低賃金額が時給のみで示されるようになった平成14年度以降最大の引上げ額
[Point2] 適用範囲
最低賃金は事業場で勤務する正社員・契約社員・アルバイト等の属性に関係なく、
賃金を支払っている全ての労働者に対して適用されます。
また、派遣労働者の最低賃金については、派遣先の事業場がある都道府県の最低賃金が
適用されますのでご注意ください。
[Point3] 確認方法
支払われる賃金が最低賃金額以上となっているかどうかを確認するには、
最低賃金の対象となる賃金額と適用される最低賃金額※1を以下の方法で比較します。
・時給制の場合 時給額 ≧ 最低賃金額
・日給制の場合 日給÷所定労働時間(1日)≧ 最低賃金額
・月給制の場合 月給※2÷平均所定労働時間 ≧ 最低賃金額
・出来高払制の場合 出来高払制の賃金総額÷出来高払制よって労働した総労働時間数 ≧ 最低賃金額
※1 特定の産業においては産業毎に最低賃金(産業別特定最低賃金)が設定されております。
産業別特定最低賃金が適用される場合は、地域別最低賃金と比較し高い方の最低賃金が適用されます。
※2 割増賃金、精皆勤手当、通勤手当、家族手当、臨時に支払われる賃金等は除きます。
近年の「働き方改革実行計画」において、全国加重平均が1000円になることを目指しているために
最近の大幅な引上げが実行されており、来年度以降も同様の引上げが予想されます。
従業員の賃金水準を毎年見直しただけでは事業所のコストが増えるのみとなってしまうので、
これを機に生産性向上の施策等も合わせて行い、会社全体の業務の見直しを行ってはいかがでしょうか
都道府県毎の地域別最低賃金に関しましては下記のHPでご確認ください。
厚生労働省 地域別最低賃金制度HP;
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/minimumichiran/
≪2018年11月1日発行 マロニエ通信 Vol.189より≫
https://www.arcandpartners.com/info/maronie