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令和7年6月13日に成立した年金制度改正法では、
社会経済の変化を踏まえた年金制度の機能強化を図るため、
多数のテーマで改正がなされました。
施行日もそれぞれ異なりますので、
改正内容の他にいつから準備するかなどもイメージしておくとよいでしょう。

年金制度改革の全体像と施行日
改正の概要と施行日は次の通りです。
Point2では1~3の企業人事に関わる内容について解説します。

人事担当者がおさえておきたい3つの制度変更
1.社会保険の加入対象の拡大
これまで短時間労働者が社会保険に加入するには
図の加入要件4つを全て満たす必要がありました。
今回の改正では賃金要件が廃止され、
企業規模要件も令和9年10月から令和17年10月までに
段階的に廃止されることとなりました。

①賃金要件の廃止
最低賃金が1,016円以上の地域では、
週20時間以上働くと賃金要件(年額換算約106万円)を満たすことから、
全国の最低賃金が1,016円以上となることを見極めて3年以内で施行されます。
➁企業規模要件の廃止
10年後には企業規模に関わらず週20時間以上働く労働者(学生除く)は
社会保険に加入することが決まりました。
加入対象者への事前説明などのため、企業規模に応じた施行日の確認が重要です。
③新たな加入者の保険料についての支援
労使の保険料負担割合を、労使折半を超えて事業主が負担した場合に、
増えた分の保険料全額が支援されます。(令和8年10月施行、3年の時限措置)
2.在職老齢年金の支給停止の基準 62万円(月額)への引き上げ
在職老齢年金は、
給与と老齢厚生年金(以下、年金)の合計が一定額を超えると
年金が一部支給停止される仕組みです。
現行の年金支給停止基準は令和7年度換算で51万円/月でしたが、
今回の改正で令和8年4月から62万円/月に引き上げられます。
約20万人が新たに老齢厚生年金を全額受給できる見込みで、
高齢者の就労促進と収入底上げに寄与することが期待されています。
3. 厚生年金の標準報酬月額の上限75万円へ 段階的に引上げ
社会保険料の計算の基礎になる「標準報酬月額」は、
厚生年金保険では65万円が上限とされていますが、
令和9年9月から段階的に75万円まで引きあがることとなりました。
「標準報酬月額」の上限を超える収入の方は、
実際の給与に占める保険料の割合が他の方よりも低くなっています。
政府は受けている給与に応じた負担にすることで将来の給付も手厚くなるとしています。

本紙では企業人事に関わるものをピックアップしましたが、
基礎年金の給付水準の底上げなど、
全国民に関わる内容を盛り込んだ年金法改正ですので、
今後の動向にもぜひ注目したいものです。
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≪2025年9月1日発行 マロニエ通信 Vol.271より≫
https://www.arcandpartners.com/info/maronie





