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先日、日米それぞれの弁護士の方から、
直近の入管法/移民法に関する興味深いお話を伺いました。
米国は不法移民の強制的排除(送還)に、
日本は遵法(コンプライアンス)に重点を置いた政策が特徴になっているとのことです。
以下に、日本政府の施策の概要を共有させていただきます。

端的には、外国人との共生に「秩序」を求め、そのためにDXを活用する方向性と言えましょう。
本年1月23日に、関係閣僚会議の名前で発表された報告書
「外国人の受入れ・秩序ある共生のための総合的対応策」
が、その内容を伝えています。
100ページに及ぶ同報告書の冒頭では、
「我が国の法やルールを逸脱する行為や制度の不適正利用について、
国民が不安や不公平を感じる状況も生じており、こうした状況に的確に対処する必要がある」
と言い切っています。
これまでの、人手不足解消の切り札として、
外国人労働者大歓迎というトーンからは一変しています。
そして、その「秩序」を保つための施策を具体的に示しています。
下記は、代表的なものの要約です。
在留資格に係る運用の適正化
報告書の中で、在留資格
「経営・管理」
「技術・人文知識・国際業務(以下、技人国)」
「留学」
「永住者」
について名指しし、その適正化について強調しています。
例えば技人国に関しては、本来認められていない単純労働に従事する事例が目立つとして、
入管の職員が受入企業を訪問調査した上で就労実態を審査するとしています。
これまでは、入管職員の人手不足からあまり実行されていませんでしたが、
入管DX(J-ESTA)の導入により効率化された人員を、こちらに回すことにより可能になる、
という算段です。
税・社会保障に係る制度の適正化
外国人労働者の日本滞在に当たり、税・社会保障に関する負担/受益のバランスが、
日本人と比して不公平ではないか、という国民の疑惑は根強いものがあります。
日本政府としては、機関間情報連携サービス(公共サービスメッシュ)を活用した、
効率的課税・徴収や適正な給付を目指すと強調しています。
例えば、外国人の国民健康保険料(税)の収納状況について、
公共サービスメッシュを活用したマイナンバーによる情報連携を行い、
国籍・在留資格別の情報を取得、在留審査に用いるとしています。
医療費不払への対応も、入国審査の厳格化の対象とし(不払額1万円以上に引き下げ)、
更に中長期滞在者へ適用拡大し、在留審査に活用するとされています。
日本語教育
報告書では、外国人が日本社会に円滑に適応するための取組として、
日本語教育の充実をトップに挙げています。
特に、育成就労制度導入に係る施策を重視しており、
CBT形式による「国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)」の対応(2027年8月を目途)、
現地日本語教師の育成を掲げています。
また、日本語教育機関認定制度を創設し、
質を保証された教育機関と教員による教育を義務化しました。
総じて言えば、法令自体が厳格化されると共に、運用も厳格化され、
それはDX化された行政により達成される、という方向性になります。
外国人労働者歓迎のムードに乗った、「これまでは通っていた」という考え方ではなく、
自らに厳しいコンプライアンス意識を課す必要があるでしょう。
≪2026年5月1日発行 マロニエ通信 Vol.279より≫
https://www.arcandpartners.com/info/maronie




