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今回は、直近で施行が予定されている社会保険制度の改正点を2つご紹介いたします。
療養、育児又は介護により報酬が急減した者の標準報酬月額の保険者算定の特例
令和9年1月より、療養、育児又は介護と仕事を両立するため、
所定労働時間の短縮や時間外労働の抑制などの就労形態の調整を行い、
その結果として標準報酬月額が2等級以上低下し
かつその状態が3か月以上続くことが見込まれる場合は、
報酬減となった初月に受けた報酬額を基に
報酬が減少した月の翌月から標準報酬月額を改定できる制度が開始されます。
通常の随時改定の場合、標準報酬月額が改定されるまでには、
固定的賃金の変動があった月から3か月を要するため、
それまでの間は従前の標準報酬月額が維持されますが、
療養等と仕事の両立を支援する観点から
より速やかに標準報酬月額を改定できるようになりました。
対象者は以下3 つの要件全てを満たす必要があります。

ただし就労調整が終了したことにより報酬が増加し、
増加後の報酬の総額を基にした標準報酬月額が
その者の標準報酬月額(特例措置による改定後のもの)に比べて2等級以上上昇した場合には、
固定的賃金の変動の有無にかかわらず、
報酬増となった初月に受けた報酬の総額を新たな標準報酬月額として改定するものとします。
また特例による場合、標準報酬月額が減少するため、
将来の年金給付の減少、傷病手当金及び出産手当金に影響が生じます。
人事担当者は対象者に十分な説明を行い、同意を得た上で手続きを行いましょう。
社会保険の加入対象拡大
令和7年6月13日に成立した年金制度改正法では、年金制度について複数の改正が行われました。
今回は、その改正事項の一つである「社会保険の加入対象拡大」について、
令和8年10月以降変更となる短時間労働者の加入要件をまとめました。
今後、パート・アルバイトなどの従業員が以下4つ(①~④)の要件を満たす場合は、
短時間労働者として社会保険に加入することになります。

● 賃金要件の撤廃
これまで短時間労働者の加入要件の1つであった
「所定内賃金が月額8.8万円以上であること(賃金要件)」は、
令和8年10月に撤廃となります。
令和7年度地域別最低賃金が全ての都道府県で時給1,016円を超えたことにより、
週20時間以上働く全ての方が自動的に社会保険の加入対象になるためです。
ただし最低賃金法では一定の場合に最低賃金の減額を許可する特例があり、
この特例の対象となる短時間労働者のうち、
月額賃金8.8万円未満である方は原則社会保険に加入しないこととなります。
(申出により任意で加入することは可能)
● 企業規模要件の縮小・撤廃
今後は企業規模要件も以下の通り段階的に縮小・撤廃されます。

人事担当者は、自社の厚生年金被保険者の人数を確認し、適用時期の確認が必要です。
なお企業規模要件を満たさない企業でも、従業員の2分の1以上の同意があれば、
短時間労働者も社会保険に加入することができます。
● 保険料調整制度
令和8年10月以降、社会保険の加入対象拡大に該当する短時間労働者の
社会保険料負担軽減を支援するための制度が開始されます。
原則、社会保険料は労使折半(事業主と被保険者が半分ずつ負担)ですが、
この制度の利用を希望する事業主は、事業主の負担割合を増やし、
被保険者の負担を軽減することができます(期間:3 年間)。
その際、事業主が追加負担した分については、その全額を制度全体で支援し、
一定期間経過後に調整される仕組みであるため、
最終的に事業主が納付する保険料総額が増えることはありません。
また、短時間労働者が将来受け取る年金額にも影響はありません。
≪2026年10月1日発行 マロニエ通信 Vol.284より≫
https://www.arcandpartners.com/info/maronie




