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最近、富裕層外国人の子弟による、海外有名校の日本校への留学が増えていることが、
メディアでも報じられています。
また、苦学生のイメージが強かった中国からの留学生ですが、
今ではITやAIに長けた優秀な学生が、
アルバイトで日本人学生の数倍の時給を得ることも珍しくないそうです。
このように外国人留学生の状況が変わっている中で、
改めてその就労に関する留意点を纏めてみたいと思います。

1.在留資格関係
在留資格「留学」の目的は、もちろん学業です。
しかし、留学生が入管に申請して許可を得れば、
「資格外活動」として、原則週28時間まで、
夏休み等の長期休暇の期間は週40時間まで、就労が可能となります。
しかし、許可のない留学生を就労させたり、上限を超えて就労させたりすると、
留学生本人は、最悪の場合、強制送還の対象になります。
また、雇用主は、不法就労助長罪により、
3年以下の懲役または300万円以下の罰金(併科あり)
に処せられる可能性があります(入管法第73条の2)。
2.給与計算関係
日本の所得税法上、課税関係に国籍は関係なく、
「居住者」か「非居住者」かによって、決定されます。
「居住者」の定義は、
「国内に住所を有し、または現在に引き続いて
一年以上居所を有する個人」(所得税法第2条1項三)であり、
これに該当すれば、外国人も「居住者」であり、
日本人労働者と同様の課税関係となります。
これが原則ですが、外国人留学生の場合は、出身国と日本との租税条約により、
所得税が減免される場合があることに留意が必要です。
例えば、中国からの留学生の場合は、日中租税条約第21条により、
日本でのアルバイト収入は免税とされています。
上記にあるように、日本人学生よりずっと高い報酬を得る留学生もいる中、
不合理であると政治問題化していますが、現状条約規定は変わっておりません。
3.社会保険関係
外国人留学生が就労する場合、広義の社会保険の適用については、
特に留意が必要となります。
最近、弊社でも、海外大学に在籍している学生が、
学校の休暇中に日本でアルバイトをしているケースにつき、
連続してお問い合わせをいただきました。
①社会保険の適用
例えば、厚生年金法第12条五ハには、
「学校教育法第50条又は同法第83条に規定される高校・大学等の学生は適用除外される」
とあります。
海外大学は、学校教育法上の学校には該当しませんので、除外されません。
すなわち、週20時間以上の労働、2か月間超の雇用といった他の条件を満たせば、
加入する義務があることになります。
これには日本年金機構が疑義照会を公表しており、
管轄の年金事務所からの回答も同旨でした。
➁雇用保険の適用
雇用保険適用関係業務取扱要領の20303(3)ニには、
「学校教育法第1条に規定する学校等の昼間学生は、被保険者とならない」
とあります。
逆に読めば、規定されていない学校の学生は、被保険者となることになります。
ところが、ハローワークに確認したところ、
「要領に記載があっても、実態として規定されている大学の学生と
同様の働き方であれば、被保険者とならない」
と回答されました。
この回答の法令上の根拠は示されず、
他のハローワークに聞いてみたところ、要領通りの回答でした。
全国統一の回答ではなく、同様のケースがあった場合は、
その度に管轄の当局に確認すべきと思われます。
外国人留学生の就労は、昔からある事象ですが、時代と共に、その姿は変遷しています。
その変化とあるべき対応について、今後も注視していきます。
≪2026年8月1日発行 マロニエ通信 Vol.282より≫
https://www.arcandpartners.com/info/maronie




