2026年09月10日 (木)

令和8年10月施行 カスハラ・就活セクハラへの対応が義務化されます

近年、ハラスメントに対する社会の目はますます厳しくなっています。
企業にはこれまでも、セクハラパワハラマタハラなどへの防止措置が義務付けられてきましたが、
本年10 月からは、新たに「カスタマーハラスメント(以下、カスハラ)」と
求職者等に対するセクシュアルハラスメント(以下、就活セクハラ)」についても
防止措置が義務化されます。

「カスハラ」「就活セクハラ」とは

● カスハラ
顧客や取引先などからの暴行、著しい暴言、不当な要求等により、
労働者の就業環境が害されること。
正当な意見や苦情への対応を否定するものではありませんが、
企業には、従業員を守るための体制づくりが求められます。

● 就活セクハラ
事業主が雇用する労働者による性的な言動により、
求職者等の求職活動が妨げられること。
採用面接、インターンシップ、会社説明会、OB・OG 訪問など、
採用活動に関わるさまざまな場面で発生し得る点に注意が必要です。

防止措置のポイント

ハラスメント対策として企業が講ずべき措置は共通していますが、
カスハラ・就活セクハラは、従来の職場内ハラスメントとは異なり、
自社の従業員以外が当事者になるという特徴があります。
特にカスハラは、行為者が社外の顧客等であり、
未然防止や行為者に対する直接的な措置を行いにくいという特性があります。

● カスハラの防止措置のポイント

① 企業の方針の明確化

企業が「カスハラに対して毅然と対応し、従業員を保護する」という方針を明確にし、
従業員に周知・啓発することが求められます。

② カスハラ発生時の対応方法の周知
どのような行為をカスハラと位置付けるのか、発生時に誰がどのように対応するのか、
悪質な事案についてはどのような手順で組織的に対応するのかをあらかじめ定めておき、
従業員に周知することが重要です。

● 就活セクハラの防止措置のポイント

① 採用活動等ルールの明確化

面談や連絡方法など、採用活動等に関するルールをあらかじめ明確にし、
従業員だけでなく求職者等にも周知する必要があります。

② 相談窓口の周知
ホームページやパンフレット等を通じて、求職者等に相談窓口について周知することが求められています。
また、窓口を人事担当者とすると、
求職者が採用選考に影響が出ることを恐れて相談をためらう可能性があるため、
求職者等が安心して相談できるよう人事部門以外の担当者を窓口とすることも有効です。

10月の法改正は、新たな防止措置義務への対応にとどまらず、
自社のハラスメント対策全体を見直すよい機会でもあります。

相談窓口は設置するだけでなく、担当者が対応方法を理解し、
相談後の調査、関係者への対応、相談者へのフォローまで適切に行える体制にしておく必要があります。

いざというときに実際に機能する仕組みになっているかという視点で点検し、
従業員も求職者も安心できる職場環境づくりを進めていきましょう。

≪2026年9月1日発行 マロニエ通信 Vol.283より≫
https://www.arcandpartners.com/info/maronie