外国人社員の国境を越えた出向

2019年10月末現在、日本の外国人就労者数は約166万人に達し、
職場で外国人が管理職というケースも珍しくなくなりました。
これに伴って、外国人社員が国境を越えて出向する、あるいは出向してくるケースも現れています。

[Point1] 日本から海外子会社等への出向

外国人社員を、海外事業を担当するコア人材として育てるべく、
数年程度海外子会社等に出向させたい、という事例が出てきています。
ここでは、当該外国人社員の出向時点の在留資格
(例えば、「技術・人文知識・国際業務」)について注意すべきです。

1年を超えて日本に再入国しない場合には、事前に再入国許可を得るか、
改めて在留資格認定(同じ資格または「経営・管理」など別の資格)を取得する必要があります。

また、海外出向を内示された外国人社員が出向を拒否する、という事例が見られます。
外国人が永住権を申請するためには原則日本で10年間継続して在留していることが必要ですが、
長期間日本を離れていると、在留年数のカウントがゼロにリセットされてしまうからです。
この対応策としては、採用段階で、出向人事命令には従うよう、
書面で同意を得ておくことが望ましいでしょう。



[Point2] 海外子会社等から日本への出向

海外子会社、または取引先から、外国人社員を出向で受け入れるケースが増えています。
この場合、適切な在留資格を取得することが大前提ですが、
その上で、当該出向社員および出向元の海外会社とも契約/覚書を締結し、
各種条件を書面で確認しておくことが重要です。

内容の例として、以下の事項があります。

● 給与
海外出向元での給与水準、および日本における「同一労働・同一賃金」を
勘案して決定する必要があります。
その上で、出向元との間で負担比率を取り決めます。

● 社会保険
外国人も日本人同様の付保がなされるのが原則ですが、
出向元の国と日本との間で社会保障協定が締結されていれば、
一定の条件と手続きの下、日本での加入義務が免除されます。

● 子女教育手当
帯同子女をインターナショナルスクール等に通わせるのであれば、
多額の教育費負担となります。
どの程度会社が補助するのか、方針を決めておきます。

外国人の国境を越えた出向を行う場合には、日本人の出向とは違った手続きや
配慮すべき点があること理解したうえで進めていくことが大切でしょう。

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2021年2月1日発行 マロニエ通信 Vol.216より≫
https://www.arcandpartners.com/info/maronie 

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